「福利厚生問題・給与制度の見直し」問題にかかる協議についての市労組連の見解
市側提案、「福利厚生問題・給与制度の見直し」問題にかかる協議の今季における終結について(市労組連見解)

2005年3月28日
大阪市労働組合総連合執行委員会
(市労組連)


 3月29日に開催される大阪市会で2005年度予算が採決される状況を前にして、市側から市労組連に対して「福利厚生・給与制度の見直し」に係る最終的な協議要請があり、市労組連書記長は、28日午後1時30分から市側と事前折衝を行いました。その結果、2月22日の第3回団体交渉からの進展が見られないことが明らかになったため、執行委員会に諮り、団体交渉の今季における打ち切りを決め、市側に以下の市労組連の見解を伝えました。

1.2月22日の団体交渉において「通告」が行われたと判断せざるをえない
 市労組連は、2月5日に市側より「見直し」提案を受け、同18日には組合員討議を踏まえた私たちの見解を表明し、市側に回答しました。そして、市会が開会され予算案が発表される22日の第3回団体交渉において、市側から「本日は市会運営委員会であり、予算案、条例案の議案の提出など所要の手続きについては進めさせていただきたいので、その点についてはご理解賜りたい」との発言がなされるに至り、私たちは即座に「それは通告ということか」との確認を行いました。
 それに対する市側の回答は「協議を打ち切るということではなく、手続きを進める」として、通告ではないとの発言を行っていました。
 しかし、その後の経過は、私たちの疑問に対して一定の状況説明は行われたものの、団体交渉には至らず、係長の管理職手当など「見直し」提案の核心部分については「今後、改革委員会・改革本部での協議の結論を踏まえてとりくむ」との回答が繰り返されるにすぎませんでした。
 このような事態は、労使協議を行う市側の当事者能力が喪失していると言わざるを得ず、事実上、2月22日の団体交渉において「通告」が行われたと判断せざるをえません。

2.市労組連執行委員会は事前折衝の経過を承認し、団体交渉の今季における打ち切り判断を行う
 これら2月22日以後の経過の本質は、結果として、新聞報道にもある2月16日の団交で關市長から事実上の「通告」を受けていた市労連が、これまでの労使癒着を支えてきた「労使協議会」の開催を楯にして、協議を継続・引きずるための単なる「期間保障」に過ぎなかったといえるものであり、これまでの経過は、再び市民の激しい怒りを買うものとして、市当局に真摯な反省を求めるものです。
 市労組連執行委員会は、28日午後5時から開催し、進展が見られないことが明確になった事前折衝における状況認識を確認するとともに@「見直し」提案にかかわる団体交渉は第3回団体交渉からの進展が見られないことが明らかになった以上、行う必要がないこと。A来年度からの必要な制度再構築のため、今後の労使協議のあり方について率直な意見交換は必要である。との判断を行い市側に意思表明を行いました。

3.幅広い市民とともに大阪市を改革するための運動に参加し、住んでよかった、住み続けたい街にしていくため、全力で奮闘していく決意を表明
 市労組連は、さる2月22日の団体交渉において、市側からの団交打ち切りの通告もあり得るものとみて、藤嶋執行委員長から以下の表明(要旨)を行っています。私たちは、すでにこの立場から、とりくみを開始しており、いっそう奮闘する決意を表明するものです。

1.私たちは、これまで市民が主人公の市政をめざし、真の大阪市改革に取り組んできました。
 市財政赤字の最大の原因である、大規模開発と第3セクターへの税金の無駄使いを止め、不公正な同和行政を終結することを求めてきました。また、市当局と市労連との労使癒着を背景として労使一体の職場支配を批判し、市民本位の大阪市政の実現にもとりくんできました。

2.市民の目線に立ち、税金の使い方を法の趣旨に則って是正することは当然のことです。
 市当局と市労連との「労使合意」の結果であったにせよ、我々としても現在に至るまで、是正できなかったことについて反省するものです。
 私たちは、職員の福利厚生、手当など、勤務・労働条件について、市民の納得が得られるよう、行き過ぎたものは是正する、問題のあるものは直ちに廃止する、との立場で、組合員の討議を進め、意思統一を図ってきました。

3.福利厚生事業の見直し提案について、事業の廃止を含めて、再構築に積極的に取り組んでいきたい。
 その際、地方公務員法、共済組合法の趣旨と合致するものについては、労働基本権の保障、地公法の趣旨を踏まえた内容が担保されるなど、市側の考え方について質し、誠実な協議を求めていきます。
 削減された予算・財源については、敬老パスの継続など、住民のための福祉施策の充実・向上、30人学級の実現など、教育の充実、保護者負担の軽減、中小企業福利厚生事業支援の充実など中小企業支援の充実、本市で働く非常勤職員等、臨時職員の待遇改善にこそ使うべきです。
 間違っても歴代市長・市当局が行ってきた大規模開発と第三セクターの破綻の穴埋めのために税金投入することは、市民犠牲であり、許せるものではありません。
 また、市当局の責任については、過去に遡って明確にされなければならないと考えています。

4.市労組連は、大阪市当局に対して、正確な情報公開を求めます。大阪市が行う施策について、意思決定過程を明確にしていくことを要求します。
 それと同時に、幅広い市民とともに大阪市を改革するための運動に参加していくことを表明するとともに、「住んでよかった・住み続けたい街大阪」にしていくため、全力で奮闘していく決意を表明します。

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