厳しい状況を切り拓くため今年度も執行部一丸となって奮闘します
厳しい状況を切り拓くため今年度も執行部一丸となって奮闘します

2004年7月1日
大 阪 市 役 所 労 働 組 合
執行委員長 成瀬明彦


成瀬明彦執行委員長 
 引き続き執行委員長の重責を担うこととなりました。決意も新たに、厳しい状況を切り拓くため次のような課題で新しい執行部が一丸となって奮闘しますので、変わらないご支援を宜しくお願いします。 

 第1に、先の国会では、自公政権は国民の7割が反対している年金大改悪法と、国民の生存権にかかわる有事関連法案を成立させました。
 年金改革は、低すぎる給付水準、高すぎる保険料、年金への信頼の崩壊でできた制度の空洞化に問題があり、参議院選挙後、改悪法の実施中止を求め、全労連が提起した最低保障年金を基軸に国民的討論が巻き起こるよう全力をあげます。
 国民保護法など有事関連法は、イラク戦争でも明らかなようにアメリカの「単独武力行動」を支え、武力攻撃の「おそれ」や「予測」される事態でも、アメリカの戦争に国民を罰則つきで強制動員し、歯止めなき自衛隊の武力行使を認めるというものです。今こそ、思想・信条・組合の違いをこえて周辺事態法、テロ対策特措法に続く有事法関連法の発動の根を断ち切らねばなりません。
 また、「戦争の放棄」を定めた憲法第9条は、戦争の違法化という世界史のながれのなかで先駆的な到達点を示す世界に誇る宝です。梅原猛、大江健三郎、小田実、加藤周一氏ら9氏が「黙って見ているわけにはいかない」「いまこそ旬の憲法9条の価値を大いに使おう」と「9条の会」を立ち上げアピールをだしました。日本を戦争のできる国にするための9条改憲を許さない広範な共同のため力を尽くしていきます。

 第2に、21世紀の日本の国と自治体のありかたを根底から変える小泉構造「改革」の柱の1つである公務員制度「改革」をめぐって政府は秋の臨時国会へ公務員制度改革関連法案を提出する構えです。
 政府がすすめる公務員制度「改革」は、ひとにぎりの大企業の多国籍戦略を支援し、大企業の際限ない利潤追求に奉仕し、軍事大国化をめざす国づくりや自治体づくりをすすめる小泉構造「改革」の重要な柱です。大阪市立大学の地方独立行政法人化や、「公の施設」の指定管理者制度でも明らかなように、大規模な自治体再編や自治体リストラ推進と一体にすすめられている攻撃です。大阪市で言えば市民に「痛み」を押し付ける職員づくりをすすめるものです。
 職員一人ひとりを分断し、競争に追い立て、人事では信賞必罰の人事管理者による免職と降任、賃金では能力・実績主義による能力等級制度・評価に基づき「能力給」「職責給」「業績給」の導入で総人件費を減らす攻撃には全庁的にたたかいます。
 あわせて、私たちは、これらに反対するだけでなく、21世紀に憲法と地方自治を発展させる要求、政策を対置し、政官財の癒着と利権を一掃のため「国民に開かれた民主的な公務員制度の確立」の闘いと結合したとりくみをすすめます。

 第3に、昨年の賃金確定では、市側のマイナスの給料表の改定と、ひきつづき1ないし2%の給料カット、また、退職金も3.42月もダウン、そのうえ今年5月から退職時特別昇給の廃止を通告してきました。
 今年の人事院勧告も厳しいものが予想されますが、公務員の賃金ダウンが、民間労働者の賃金ダウンを誘発し、それが、また公務員のダウンにつながるという「悪魔のサイクル」を打ち破るため官民共同の運動に全力をあげ、退職金の減収をなんとしても取り返すため、秋の2004年賃金確定闘争を文字通り賃金引下げを許さないたたかいと位置づけとりくむ決意です。

 最後に、なによりも、65歳まで働かなければならないというエイジレス時代に対応する運動をすすめるとともに、賃金カットの「背景」ともなった大阪市の大規模開発にメスを入れ、不況の時こそ自治体が暮らしの防波堤になるよう市政の民主的転換のため大きくたたかいます。