「海上展示訓練」と自衛艦の大阪港入港に反対する要望書提出について
「海上展示訓練」と自衛艦の大阪港入港に反対する要望書提出について

2004年5月21日


 市労組は、5月21日(金)午後4時に關淳一市長に対して、下記のとおり、「『海上展示訓練』と自衛艦の大阪港入港に反対する要望書」を提出しました。
市側は、「市労組が指摘している大阪港の平和利用等に関する趣旨について重々理解するものである。しかし、法制上の問題もあり、国との関係など答え切れない立場にある。ご指摘のとおり、大阪市における『平和都市宣言』『大阪港の平和利用に関する決議』を基本に最後まで国に対して努力を行いたい」と回答しました。

2004年5月21日


大阪市長 關 淳一 様

大阪市役所労働組合   
執行委員長 成瀬 明彦



「海上展示訓練」と自衛艦の大阪港入港に反対する要望書


 海上自衛隊は、6月4日から7日の4日間、大阪湾で演習計画を実施するとしています。計画によれば、呉警備区に在籍する艦艇・航空機を動員して、展示訓練を行うというものです。この演習に、大阪港を利用する計画になっています。いうまでもなく、大阪港は大阪市民の力と熱意により平和な商業貿易港として発展してきました。大阪港を軍事演習に利用させることは、市民の願いに逆行することは明白です。
 国会では、アメリカが引き起こす戦争に、自治体、民間企業、国民を総動員しようとする有事関連法案が5月20日に衆院で強行採決され、参院に舞台が移されました。これらの法案は、憲法が保障している平和原則、基本的人権、地方自治を否定するものです。
 憲法第9条にねらいを定めた憲法改悪の動きも急速に進められようとしています。この時期に、自衛隊が、大阪湾全域での演習を実施するのは、有事関連法案を念頭に置いていることは疑いありません。
 今回、大阪市が、大阪港の軍事利用を認めるなら、「平和都市宣言」、「大阪港の平和利用に関する決議」に対する評価を低めるだけでなく、今後も、軍事利用への道を助長することにつながります。
 さらに、市民を自衛艦に乗艦させ、訓練を見学させるという計画は、有事関連法案の危険性を覆い隠そうとするものです。有事法制が想定する、自治体、市民を戦争に動員する訓練ともいえます。
 よって、平和を基調とすべき大阪市が、以下の対応をとるよう要望いたします。



1.今回の演習に関連して、天保山岸壁に4隻、中央突堤北岸壁に2隻の自衛艦の入港が大阪市に打診されています。これらのことに強く抗議し、自衛隊の大阪港利用を認めないこと。

2.いかなる形でも、大阪湾、大阪港での軍事演習に反対する態度を表明すること。

3.有事関連法案に関連し、大阪港の軍事利用には明確に反対を表明すること。

4.自衛隊からの軍事演習への協力要請は拒否すること。