2001年9月10日大阪市人事委員会「職員の給与に関する報告及び勧告」に対する市労組連の声明 《2001年9月5日・大阪市労働組合総連合執行委員会》 1.大阪市人事委員会は2001年9月5日、市長と市会議長に対して「職員の給与に関する報告及び勧告」を行った。その内容は昨年に続いた俸給表の改定見送り、諸手当の改定見送り、一時金は3年連続の削減するというものであった。本年の人事委員会の「報告及び勧告」は、組合員をはじめ大阪市に働くすべての教・職員の生活実態を無視し、日々繁忙化した職場実態のなかで、住民サービスの向上にむけ努力している教・職員の士気にもかかわるきわめて不当なものである。また、昨年に引き続く俸給表の改定見送りに加え、新たに諸手当の改定も見送り、さらに一時金は3年連続の削減という今回の『報告・勧告』は、2001年人勧に追随したものであり、人勧並みに削減されるなら、勤続10年の係員で過去2年分と合わせて14万6千円もの減額が生じることとなり、到底、容認し得るものではない。 2.また、「勧告」では「民間の給与改定は、引き続く深刻な経営環境における合理化や雇用調整などの企業努力の成果である」として、民間企業におけるリストラや「合理化」を高く評価しているが、小泉政権のもとで吹き荒れている「構造改革」の強行、そして中小企業の倒産や失業者の激増という中で、労働者や下請けへの一方的なしわ寄せをさらに強化して企業の生き残りをはかった戦略が、このリストラ「合理化」であり「雇用調整」であることは、きわめて明らかである。 また、このような民間の企業活動の評価を前提とした「民間準拠」は、この間市労組連として指摘してきているように「民間準拠」論そのものが、公務員労働者の生活改善につながる概念でなくなり、強いて言えば労働者の生活悪化と消費不況の長期化という悪循環の枠から一歩も抜け出せないものである。 3.つぎに、「報告」では「育児・介護」について、「男女共同参画を進めるため、男女が共同して育児・介護といった家庭での役割を果たしながら、職場においても能力が十分に発揮できる職場環境を整備することが重要」と述べているが、本市における育児・介護さらには看護にかかわる制度について、このさい運用や賃金の面での改善をはかり、より取得しやすい制度に内容を充実するようとりくみを強める必要がある。 さらに、「報告」では「企業の競争力を高め従業員の士気高揚を図るため、業績の成果が基本給等に反映される人事給与制度が取り入れられています」とのべ「人事給与制度のあり方について研究検討」していくとして、昨年の「調査研究」から一歩踏み込んだ報告がなされている。6月29日に行政改革推進事務局が示した公務員制度改革の「基本設計」は、「全体の奉仕者」を真っ向から否定するものであり重大な問題をはらんでいる。また、導入を言われている「成果主義賃金」は、すでに導入していた民間企業において矛盾・問題が表面化しており、住民奉仕に向けて協力して仕事をすすめることが欠かせない公務職場において、職員の分断・競争あおる制度の導入は、市労組連として人事管理強化につながるものとして容認できない。 4.今年3月、人事委員会に対して「基礎作業に関する申し入れ」を行った際、市労組連としては「賃金・労働条件は労使協議によって問題解決をはかることが基本」との立場を表明してきたが、今回の俸給表の改定見送り、諸手当の改定見送り、一時金は3年連続の削減による、連続した年間賃金マイナスの「報告及び勧告」を厳しく追及するものである。その上で、市労組連として、2001年賃金確定・年末一時金闘争において、年間賃金マイナスを許さない立場から精力的なとりくみを展開するとともに、「報告及び勧告」を上回る要求を掲げ大阪市に働くすべての教・職員とともに奮闘することを表明するものである。また、公務労組連絡会への結集をつうじて、中央と全国で地方財政危機の原因と責任を徹底的に追及していく決意である。 以 上 |