機関紙『大阪市労組』227

第227号 2000年10月1日付



    機関紙「大阪市労組」に掲載した記事を紹介します

1面の記事
☆告知板
   10/2 大阪市労組連単組書記長会
   10/4 自治労連拡大全国代表者会議(〜5)
   10/8 京阪神部落問題交流会韓国ツアー(〜11)
   10/10 自治労連政令都市職部会幹事会
   10/13 第5回地方自治研究全国集会(〜15)
   10/17 大阪自治労連大阪市内協第9回定期大会
   10/18 大阪市労組第1回中央委員会
   10/20 自治労連第1次全国統一行動
    
☆3大要求を掲げ秋季年末闘争をたたかおう
 「能力・実績主義」賃金の導入反対
    自治体リストラ反対・住民本位の自治体行政を
      介護保険改善など国民の要求実現


 今年の2000年人事院勧告では、給料表の改定見送り、2年連続の一時金削減、そして、成績主義のいっそうの強化・拡大に踏み込みました。これは私たちの生活実態とは大きくかけ離れたものですが、9月19日、政府は「勧告通り完全実施する」閣議決定を行いました。大阪市労組は、自治労連に結集し、2年連続のマイナス勧告の押し付けに抗議し、自治体リストラ反対、選挙制度改悪阻止、社会保障の切捨て反対などの国民的課題とともに秋季年末闘争をたたかいます。

賃金抑制攻撃をはねかえそう

 9月4日に出された、大阪市人事委員会の勧告・報告も給料表の改善見送り、一時金の大幅削減という人事院勧告に追随したもので、勤続10年の係員では、昨年の減額分と合わせると13万3000円もの減額になります。さらに「人事院の動向や本市の実態に留意しながら、新しい時代に即応する給与体系」の「調査研究」の必要性を強調するなど、新たな「能力・実績主義」賃金・人事管理強化につながるものとして容認できません。
 大阪市労組は、こうした市人事委員会の「勧告・報告」を厳しく追及するとともに、自治労連に結集し、政府・財界の国民・労働者いじめの国策と真っ向から対決し、@すべての労働者が人間らしく生き、働ける賃金・労働条件の確立、A住民のために誇りを持ち、安心して働ける自治体労働者の賃金労働条件の確立をめざして、B自治体リストラに反対し、住民本位の自治体行政の実現をめざして、秋季闘争・賃金確定闘争に全力をあげます。

2001年度の要員確保について市側に申し入れ

 大阪市労組本部は、9月27日午後4時30分から市側と団体交渉を行い「2001年度の要員確保に関する申し入れ」を行いました。文書による申し入れと合わせて、完全週休2日制実施後の開庁職場の労働条件悪化の改善や現業職場の欠員補充などに対する必要な要員確保、障害者の雇用と職域拡大など3点を口頭で申し入れました。特に、「生活保護実施体制の整備」による「新体制」へ移行した福祉事務所では、様々な矛盾が噴出し現場実態と乖離があるとして、改めての対応を求めました。2001年度の要員確保のとりくみについては、この申し入れ以降、支部と所属の交渉を進めつつ、本部交渉で決着していきます。

☆大阪市がWTC等への庁舎移転を年度内に行うと記者発表!!

 市労組は、庁舎移転に合意できないと表明

 大阪市は、9月28日、WTC等への庁舎移転問題で記者会見を行いました。内容は、庁舎建替計画を見直すとともに、都市基盤整備を担当する関係局のWTCへの移転を進め、「ベイエリア地域の活性化など、オリンピック開催にふさわしい21世紀の大阪の新しいまちづくりを積極的に推進する」ことを名目に、建設局・下水道局・水道局を「WTC」に移転し、既に入居している港湾局を本移転とする。また、環境事業局を「あべのルシアス」に移転し、消防庁舎の現地建替を見直し、交通局庁舎の建替計画とあわせた計画とするというもので、今年度内の早期移転を進めるとしています。 大阪市労組は、これまでの交渉経過を踏まえ、WTCの建設理念から外れた大規模開発の失政を市民や職員に転嫁するものとして受け入れられないことを表明してきましたが、9月25日に市側は「WTCへの事務室庁舎移転の態度は変えられない」として、基本問題の交渉を打ち切ってきました。
 大阪市労組は、WTC移転について改めて反対の表明を行いつつ、ことは職員の職員の勤務・労働条件にかかわることでもあり、この点についての交渉継続を主張し、市側から「応ずる」との回答を得ています。

☆コラム「中之島」
▼実に「淡々と」金メダルをとってしまった高橋尚子さん。「かけひき世界一」のリディア・シモンさんを負かした勝負強さの秘密はどこに▼小出義雄監督は「コース近辺に宿泊していて何度も走ってるんだよ」と用意周到さを語った。また、「走ることの大好きな小出と、走ることが好きで好きでたまらない高橋とが一緒になったから」とも▼かつてのマラソンランナー増田明美さんは「尚子さんは決して気持ちの強い選手ではない。彼女を支えているのは『もろさ』が『強さ』で、自分の考えをしっかり持ち意見する自立した選手だが『自分ひとりでは走れない』と自分で思っている」と分析している。▼福祉・医療・教育と雪崩のように社会保障制度が改悪され、賃金も上がらない。こんな世の中何とかしたい。しかし、政治を変えることができるのかと疑問を持つ人々も増えている▼一人のランナーから学ぶことは多い。たたかいの用意周到が大事であり、一人一人は弱い存在かも知れないが、労働者が自ら「もろさ」を知った上で決してあきらめず多くの仲間と歩み出すことを教えてくれた▼勇気の出る理論が最近の高等数学で立証された。「野原の一羽の蝶の羽ばたきが大都会に嵐を起こす」一人の運動が世の中を変える力となる“バタフライ効果”理論である。

2面の記事
☆大阪市は学童保育に責任をもて
公的学童保育の実現めざし直接請求署名スタート集会

〜共同学童保育の公設化で子どもたちの瞳かがやくまちに〜

  大阪市に学童保育の制度を求める10万人の会

 大阪市の学童保育は、34年間、子どもたちの放課後を守り続けてきました。しかし大阪市は、学童保育に対してわずかな補助金しか出さず、学校の空き教室の利用も認めていません。こうした大阪市に学童保育の条例化を求め直接請求署名のとりくみをすすめる「大阪市に学童保育の制度を求める10万人の会」は、9月22日、ドーンセンターで「直接請求署名スタート集会」を開催しました。集会では、豊島の住民運動の弁護士・大川真郎さんが記念講演を行ない「最後まであきらめず、時間を惜しまず、やれることはすべてやる。そしてマスコミを活用することだ」と激励しました。その後、行動提起を確認し、とりくみの成功へ決意を固めあいました。直接請求署名は、10月28日から11月27日までの1ヶ月間とりくまれます。みなさんのご協力をお願いします。

☆生野区役所支部「しょうてん」2500号突破
  支部結成10周年でレセプション開催

 生野区役所支部では、機関紙「しょうてん」の支部結成後2500号突破(通刊6636号)と結成10周年を記念して、9月22日、記念レセプションを開催。当日は、記念誌も発行。転出・退職組合員の声も紹介されました。あいさつに立った長尾支部長は「すべての労働者に愛され、頼りにされる支部をめざそう」と呼びかけました。

☆うたうことそれは生きているあかし
  「なのはな」4thコンサート

 大阪市保母うたサークル「なのはな」の4thコンサート「うたうことそれは生きているあかし」が、9月14日、旭区民センターで開かれました。3部構成で行なわれたステージでは、愛・平和・命をテーマにした合唱やパワフルな南中ソーラン、ゲストの国鉄の仲間でつくる「号笛」との混声合唱など、ぬくもりと力強さとさわやかな感動を聞く人に与えてくれました。「号笛」は、10年前に結成され「うたごえは闘いと共に」と国鉄闘争の解決をうたごえで訴え続けてきました。ステージでは、仕事への気概や悲哀をうたい、男性コーラスの魅力もたっぷり味わえました。パンフレットのあいさつの「『人間として生きること』の意味を歌や踊りで伝えたい」の言葉通りの感動が味わえたコンサートに、会場の拍手が鳴り響きました。

☆市労組レーダー
大阪市対連「秋の要求運動シンポジウム」 (9/21 住まい情報センター)

 大阪市対策連絡会議(市対連)の秋の要求運動シンポジウムが、9月21日、住まいの情報センター会議室で開かれました。シンポジウムでは、市対連代表の井上賢二さんをコーディネーターにして、4月から実施された介護保険制度の矛盾や問題点、老人医療費一部負担金助成制度の廃止、10月からの介護保険料徴収など、高齢者のいのちと健康が脅かされる状況や子どもと教育をめぐる危機的状況がシンポジストから報告され、大阪市の実態を浮き彫りにして秋の要求運動を大いにすすめようと各団体のとりくみの交流が行われました。市労組からは、宮沢武夫委員長が「地方分権で大阪市はどう変わるか、現場の実態は」をテーマに、大阪市のリストラの状況や福祉、保育、医療の職場の繁忙化と自治体労働者の健康破壊の実態などを報告しました。

IT革命に乗り遅れるな
市労組管理職会がパソコン教室開催


 市労組管理職会では、職場のOA化もすすみ、パソコンに接する機会が増えているなかで、パソコンを使ったことがない管理職も相当数いることから、基本的なパソコンの知識、簡単な文書の作成や表計算など、気軽に習得できるようにと、初心者向けパソコン教室を開催しています。9月20日の第1回目には、パソコンの起動の仕方や画面の説明、マウスを使ってアイコンをクリックする方法などやキーボードの使っての文字入力などを行いました。9月27日の第2回目のレッスンでは、ワープロソフト・ワードを使って入力した文字のレイアウトを行いました。参加者は、講師陣の丁寧な指導に、なれないパソコンに悪戦苦闘しながらも、案内状のサンプルを作成しました。それぞれ出来上がった文書を印刷し、サンプルと見比べてうなずいたり、首をかしげたりしながら出来ばえを競っていました。このパソコン教室は、以下の日程で引き続き行われます。
●第3回 10月4日(水)エクセル
●第4回 10月11日(水)エクセル
●第5回 10月17日(火)ワード・エクセル
いずれも、本部会議室で、Pm6:30〜8:30の予定です。
※ 詳しくは、市労組本部まで(TEL 6208-8798)。

大阪市労組結成10周年記念
「おきなわピースツアー」で平和を学ぼう


日 程 11月2日(木)〜4日(土)
内 容 初 日 糸数壕など沖縄南部の戦跡めぐり、夜は琉球舞踊での交流
2日目 守礼門、首里城、普天間基地めぐり、市内観光
最終日 反戦地主との交流・懇談など
参加費 一般8万円、青年職員6万円、子ども(小学生まで)5万円
※ 詳しくは、市労組本部組織部まで(TEL 6208-8798)

☆シリーズ 福祉行政の充実めざして
   いま、福祉行政は G

増大するニーズを無視してリストラ攻撃が

 99年7月に成立した地方分権一括法により、福祉事務所の設置基準や職員配置基準がガイドライン化されました。このために、全国的な自治体リストラ・定数削減攻撃と相まって、大阪市では生活保護担当ケースワーカーを高齢者世帯400世帯に1人、広島市はすべての世帯を100世帯に1人にするなど人員が削減されています。
 しかし、厚生省ですら不況と失業の事態を深刻にとらえ、「失業者300万人、大都市にはホームレスが増え続けている社会状況のなかで、生活保護制度も大きな曲がり角になっている」「保護の実施機関はあらゆる機会をとらえて要援護者の発見に努めること」「稼動年齢層やホームレス対策は、稼動能力活用のために真剣に努力しても就労できない場合は、保護の要件を欠くわけではない」として要保護階層の増加に対する対応か急務と述べています。(「平成12年度社会援護局主務課長会議」)
 生活保護担当の職員配置基準をガイドラインから、せめて従来の基準に戻して増大する生活保護世帯や、介護扶助の発足など複雑化した業務に対応できる体制をつくり、専門性を高めるための研修をきちんと実施することなどが急務となっています。
政令指定都市の今年度の生活保護担当職員配置基準を大都市民生支部協議会発行の「各都市情報交換資料」からいくつか拾い出して見ました。
 70世帯に1名…川崎市。80世帯に1名…仙台市、横浜市(寿地区は70世帯に1名)、名古屋市、京都市(周辺区と京都駅前の区には追加配置)、神戸市。
大阪市は野宿生活者対策をはじめ多くの課題を抱えていますが、福祉事務所の労働条件は他都市に比べて落ち込みがひどいと言わざるを得ません。


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