機関紙『大阪市労組』228

第228号 2000年10月16日付



    機関紙「大阪市労組」に掲載した記事を紹介します

1面の記事
☆告知板
   10/17 大阪自治労連大阪市内協第9回定期総会
   10/18 市労組第1回中央委員会
   10/20 自治労連全国統一行動・現業統一行動
         安保破棄全国統一行動
   10/24 市労組連第20回中央委員会・賃金学習会
   10/27 市労組平和集会
   10/28 第8回大阪市をよくする市民のつどい
   11/1 自治労連中央行動・総決起集会
    
☆大阪港にアメリカ軍艦(ヴィンセンズ)はいらない
  We dont need US warships in Osaka port.

   私たちは平和な大阪港を望んでいる
        私たちは米海軍の兵士達を歓迎しない


平和団体や市労組が抗議行動

 10月6日(金)朝8時前、アメリカ第7艦隊の巡洋艦「ヴィンセンズ」が大阪港に入港しました。南北朝鮮の統一の動きなど、アジアで平和の流れが大きくなっているにもかかわらず、大阪市は市議会の「大阪港平和利用決議」を無視して米艦の入港を許可しました。 大阪市長の情勢認識と平和への姿勢が今するどく問われています。 市労組は共同して要請行動や抗議行動を連続して取り組みました。

 ヴィンセンズ入港に1時間にわたる抗議

 画期的防空システムであるイージスを搭載する巡洋艦ヴィセンズ(9800トン)が、6日大阪南港J岸壁(通称食品埠頭)に着岸しました。フェンスに仕切られた外側から、平和団体や労働組合そして市労組の組合員は、1時間にわたる抗議行動を開始しました。 軍艦のデッキに隙間なく整列する兵士。フェンスの内側では、入港歓迎のセレモニーが行われています。なんと、幼稚園児を動員して「日の丸」の旗を振らせています。
 抗議の参加者は、ヴィンセンズ入港抗議のシュプレヒコールを英語で繰り返し行いました。「核兵器搭載可能・巡洋艦ヴィンセンズは大阪港から出て行け」「傲慢なアメリカは帰れ」「大阪市長は市議会決意を守れ」……。アジアの平和の流れに逆行し、戦争法の具体化をはかる大阪港の軍事使用は絶対に許せません。

入港反対の連続行動で、強い意志を示す

 この間平和団体・労働団体は連続した行動をやりきり、市民の平和への強い意志を示しました。3日には、大阪市港湾局に入港反対の申し入れを行い、この後アメリカ総領事館への申し入れ。5日には、「大阪港への米艦入港拒否せよ!昼休みデモ」を中之島公園から市役所・アメリカ総領事館と行い、市民にアピールしました。6日には大阪港での現地抗議行動を整然と行い、引き続き大阪市議会に対し、「入港反対の陳情書」を提出しました。陳情書は、大阪市議会の「大阪港平和利用決議」をふまえ、米艦の大阪港入港を許可しない態度を表明するよう強く求めました。


 戦争法の発動を許すな!名護新米軍既知反対!
  思いやり予算廃止!暮らしと民主主義守れ!

  安保破棄2000年
  『10・21』全国統一行動大阪集会

  ○ 日 時 10月20日(金)午後6時30分開会
  ○ 場 所 扇町公園(JR・地下鉄扇町駅下車)
  ○ 主 催 安保破棄・諸要求貫徹実行委員会
  ※ 集会後、2コース(市役所前・中崎町)でデモ行進


☆市労組本部
  2001年度要員確保に関する第2回団体交渉


 「危機的財政構造」を強調した要員の見直しは容認できない

 市労組本部は、10月12日市側と要員確保に関する第2回団体交渉を行いました。これは、9月27日の団体交渉で口答事項も含めて申し入れた「2001年度要員確保」について、市側として検討した結果の回答を求めてのもの。
 市側は要旨、次のように述べました。、
 「職員の配置にあたっては、『仕事と人』のかかわりについて、各事務事業において行政がすべて直接行う必要があるかどうか再検討し、行政責任を確保しつつ今まで以上に積極的に民間部門等を活用することをはじめとして、従来の発想にとらわれることなく改めて根本的に見つめ直し、それぞれ現行の要員は配置が適正であるかどうかを厳しく検証していくことが優先的課題であると考えている」として、新規事業などについては、「全市的な既存の事務事業等の見直しにより生み出した要員を適正に配置」したいとし、欠員補充については、「新たな欠員補充のあり方も含め検討せざるを得ない」などと述べ、「具体的な回答については、精力的に作業を進め、今月中には、考え方を提示できるようにしたい。」
 これに対し市労組は要旨、次のように反論しました。
 「『危機的財政構造』を強調した総人件費の削減・要員の見直しについては到底容認できない。厳しい財政事情を述べているが、巨大開発事業への巨額の予算投入が、市の行財政環境の悪化を生み出す主要な原因であり、撤退すべきである。役割を終えた事務事業を見直せば、相当数の人員が生み出せる事務事業もあると考えるが、これは保健・医療や福祉・介護・保育に振り分けるべきである。また、市側は、職員の定数を削減し、人件費の安上がり化のための外部委託・民間委託を行おうとしているが、これは自治体リストラそのものだ。欠員補充では、切実な要員問題を抱えている現場第一線の職場実態を把握・検証も行わず、はじめに減員ありきという手法は、要員確保の基本問題に踏み込む考え方であり容認できない。早急にわれわれの要求にもとずく具体的回答を示すよう要請したい。」


☆コラム「中之島」
▼大阪市会史上初めての事件、現職議長が「競争入札妨害容疑」で逮捕された。昨年6月同容疑による市議の逮捕に続くもの。この議長は高級クラブなどで「食糧費」を湯水のように支出させていた議員の一人と指摘され、「議長不適格」との声を無視して選出されていた▼一方、市教委で、年度末に余った予算を特定業者に「裏金」としてプールする不正取引を行ったと、職員19名の処分が行われた。こちらは93年、市の外郭団体「湊町開発センター」で裏金作りが発覚したものに続く▼今年5月にも建設局区画整理事務所職員がタクシーチケット不正使用事件と、それを見つけた係長が上司や同僚から「ことを荒立てるな」と説得されいじめられたことが報道された▼こう度重なるとうんざりする。「市職員は何をしているのだ」との非難の声も出よう▼89年に発覚した公金詐取事件でその原因究明と再発防止策が強く求められながら、一部幹部の処分で糊塗したつけである。この事件に関与した職員の大半がその後さらに昇任し、中には局長級になった者もいる。外面を繕い通せば「引き」と「押し」で昇任するという人事の根絶が不祥事防止のカギである▼真の公正・公平な人事行政とは、労組間の差別扱い解消のみならず、市民の信託に応える者への適切な評価と不祥事関与者が容易に昇進できない仕組み作りでもある。不正に与しない真に能力のある職員の登用を。


2面の記事
☆京阪神交流韓国の旅
 祖国統一への強い願いを肌で感じる


 京阪神自治体労働者部落問題交流集会は、25年間にわたり交流と学習を中心に活動を進めてきました。21世紀を目前にした今、四半世紀の活動をひとつの区切りとして「韓国の旅」で交流しました。

 韓国の古代史探訪・侵略の実態・分断の現実

 京阪神の市職員で構成する「京阪神自治体労働者部落問題交流集会」の主催で、総勢41人が参加し、10月8日から11日の4日間韓国の旅を実施しました。萩原燎さん(第30回大宅壮一ノンフィクション賞の評論家)と、鄭早苗さん(大谷大学文学部助教授・朝鮮半島の古代史)の両氏が同行し、専門分野からの案内と助言をいただきました。
 慶州では、世界文化遺産の仏国寺や石窟庵などを見学。
 ソウルでは景福宮や日本植民地支配からの独立を宣言する集会の開かれた「3・1運動」発祥の地のタブゴル公園、そして日本が政治犯を収容し拷問するために造った、西大門刑務所歴史館をたずねました。また、板門店や江華島では分断された国の悲哀を深く胸に刻みました。韓国の人々は祖国統一を強く願っていることを肌で感じることができました。
 日本は侵略の反省を正しく行っていません。そして、次に韓国に来る時は「ワンコリア」になっていることを、望まずにはおられませんでした。

 事実により真実を知ることができる

 最近発行された歴史改ざん本「国民の歴史」(西尾幹二著)をはじめ、新自由主義史観(自虐史観)や右翼化をすすめる幅広い世論操作の動きと法制化のなか、事実により真実を知ることからますます遠ざかる方向、学びにくい環境にされています。部落問題とともに、在日韓国・朝鮮人問題や日本人の人権意識問題、日本の国際化問題を学習し語り合うことが大切ではないでしょうか。


☆市労組現業評議会 第11回総会開催 10月3日

 現業職員の賃金・労働条件の早期是正を


 大阪グリーン会館で開催された、第11回総会で平岡徳治郎現業評議会議長は、「大きな目標を掲げ、あらゆるたたかいに参加して行くなかで、徐々に組合員も増加し、結成10周年の節目を迎えた今、現評の発展にむけたとりくみの強化が求められている」とあいさつしました。
 現業職員の実態では、99年度は前年度に引き続き、現業管理体制における主任制度で一定の前進がありましたが、まだまだ民主的選考にはなっていません。今後、各局で主任選任の実現を図っていく必要があります。
 今職場では、現業職員の要求が渦巻いています。要求実現では連合組合が取り上げない要求でも市労組が前面に立って交渉し、実現している例が報告されています。
 市労組現業評議会の存在と果たす役割は大きくなっています。総会では、「みんなで知恵を出し合い、学習し、各職場で成果の出せる現業評議会していくこと。今年一年間おおいに奮闘する」ことが確認されました。新役員を選出して総会は成功裏に終了しました

☆市労組レーダー
大阪市職員とOBによる
 第17回まいど美術展今年もあります

 今年は、下記のように会期・会場での開催が決まりました。また、作品の募集、搬入、展示、搬出の要領も決まりました。ぜひ作品の出展にもチャレンジしてください。
 【会期】 11月24日(金)〜11月29日(水)
 【会場】 上本町ギャラリー(天王寺区上本町6ー7ー24)
                 キャリヨンビル2F
※ 作品出展要領
 【作品の分野】   絵画・版画・彫刻・切り絵・その他造形
 【出展者の資格】 大阪市職員とOB、その関係者
 【申込先】     (連絡先)岸本安司さん TEL6581ー7575 
 【申し込み期限】  11月15日までに「申込書」にて


大阪労連大阪市地区協議会
 第15回定期総会で新役員決まる


 9月30日開かれた定期総会で新役員が選出されました。議長は、山崎義郷さん(大阪府職労)、事務局長に岡本孝雄さん(淀川東淀川労連)などとともに、市労組からは副議長に武久英樹さん、幹事に大西廣さん・廣瀬平四郎さん、菊本義治さん、小村末広さん、特別幹事に、宮沢武夫さん、木下知二さんが選出されました。


「働くみんなの要求大アンケート」のとりくみが始まります

 2001年春闘「要求大アンケート」は、日経連・財界がすすめる賃金破壊、春闘解体の攻撃のもとで、広範な労働者の要求、生活と労働の実態、春闘に対する期待などを結集することを目的に実施されるものです。ご協力よろしくお願いいたします。


歌手生活30周年記念 野田淳子ミレニアムリサイタル
 12/1(金)開場6時30分 開演7時
 大阪府立ドーンセンター大ホール
       (地下鉄、京阪『天満橋』)
 入場券 前売¥4000 当日¥4500


☆シリーズ 福祉行政の充実めざして
   いま、福祉行政は H

福祉行政の課題…シリーズを終えるにあたって

 このシリーズは区役所の福祉事務所・健康福祉サービス課と児童相談所でがんばっている組合員の現場レポートという方向で取り組みました。
 地方分権一括法の実施、社会福祉基礎構造改革の進行で、国や地方自治体の社会福祉に対する責任の緩和とともに、自治体は福祉行政の機構をどのようにでもできるようになりました。加えて、欠陥だらけと批判の強い介護保険制度が導入され、現場には戸惑いと混乱が拡がっています。
 3年前に「総合相談窓口」をキャッチフレーズに発足した健康福祉サービス課は、逆に福祉5法がバラバラになったとの声も聞かれ、例えば介護保険に対する苦情や相談は、当該係だけでなく老人・障害者福祉の担当、生活保護ケースワーカーにも寄せられ、解決に苦慮しています。
 年々、増加する母子家庭の複雑多様化する福祉的課題に向き合っている組合員は、生活全般にわたる相談援助の必要性を訴え、障害担当は、「自己決定の尊重」というが必要性の高い方から優先的に福祉サービスを提供できた長所が潰されると危惧しています。児童相談所からは、児童虐待防止法の積極面と限界性が報告されました。
 大阪市では、長引く不況が生活保護世帯や野宿生活者の急増へと結びつき、福祉事務所が増え続ける仕事にあえいでいるにもかかわらず、相談と援護を担当するケースワーカーが減員されるという厳しいリストラ攻撃が続き、健康を害したという話も少なくありません。心のゆとりがなければ、相談を受けても適切な援助ができるはずがありません。現場から見た大阪市の福祉行政はあまりにも多くの課題を抱えています。
 地方分権とは、自治体がその地域に応じた住民本位の行政をめざしてこそ生きてくるものです。わたしたちは、保健・医療・福祉の総合システムを確立し、それをベースに住民ニーズに合った施策の充実を図ること、そのために必要なマンパワー・専門職員の確保が住みよい、住み続けられるまちづくりにつながるものと考えます。それは自治体当局だけでなく、わたしたち自治体労働者、市民に共通した目標です。

機関紙のページにもどる

トップにもどる