第264号 2002年6月1日号
有事法制反対特集号


    機関紙「大阪市労組」に掲載した記事を紹介します

1面の記事
☆告知板
  6/4 第9回安全衛生基礎講座(第2回講座)
  6/7 市労組オレンジセミナー第6回講座
  6/8 大阪自治体問題研究所総会
  6/9 大阪革新懇の大阪湾ムダ使い検証エコ・クルージング」
  6/11 市対連「大阪市の財政分析」連続講座B
  6/11 第9回安全衛生基礎講座(第3回講座)
  6/12 自治労連第2次統一行動
  6/14 大阪市役所退職者会総会
  6/15 第22回自治体に働く青年のつどい(〜16)
  6/16 市労組婦人部平和バスツアー

☆「5・20有事法制反対関西集会」
有事3法案阻止この1点で組織の違いのり越えて!!
  
労組の枠を越え70団体から5600人が参加    
扇町公園で開かれた「5・20有事法制反対関西集会」
壇上から各代表が決意表明 憲法違反の有事法制3法案の国会審議がすすめられるなかで、「大阪港の軍事利用反対」「私たちは加害者にも被害者にもなりません」と、関西の陸、海、空の労働組合が上部組織の違いを超えて、有事法制反対の一点での共同を呼びかけた「有事法制反対関西集会」が、5月20日、扇町公園を会場に開かれました。集会には、全労連、連合、中立に加盟する70を超える団体から5600人が参加し有事法制阻止にむけて全力を上げる決意を示しました。

各団体が決意表明!!集会後はデモ行進に

会場には、連合・全労連の枠を越えて70団体が参加 実行委員会を代表してあいさつにたった佐野祥和全港湾関西地方本部執行委員長は「アメリカ言いなりに戦争をする法律をつくろうとしている小泉内閣を許さず、法案阻止に向けて全力をあげよう」と呼びかけました。運輸労連、海員組合、航空連、医労連、宗教者の各代表が決意を表明しました。
 「私たちは戦争協力を拒否する」と宣言し、「廃案に追い込むために地域、職場でさらなるたたかいを展開しよう」との集会決議を採択し、2コースに分かれてデモ行進しました。


☆2002年夏期闘争で要求実現を
 大阪市労組第5回中央委員会


夏季手当要求は2.7月+40000円
 本部役員選挙管理委員会も設置


アピオ大阪で開かれた第5回市労組中央委員会 市労組は5月30日、アピオ大阪で第5回中央委員会を開催し、この間の経過を承認するとともに、2002年夏季手当をはじめとした夏期闘争の方針について論議し、当面のとりくみについて確認しました。有事法制制定や医療大改悪といった悪政を許さず、平和と生活改善を全面に、この夏期闘争をたたかいます。
 中央委員会では、当面のとりくみについて池尾剛副委員長が提案。市民や職員を戦争に巻き込む憲法違反の有事法制反対のとりくみや医療制度大改悪の阻止に向けたとりくみ、東大阪市長選挙で2期目をめざす長尾淳三市長実現のための支援のとり5月30日に行われた夏季手当て申入れ対市団交くみ、夏期一時金闘争や人勧史上はじめて「俸給表本体でのマイナスの勧告」を行う可能性が高まっている人勧期闘争に全力をあげようと強調しました。
 夏季手当要求については、アンケートの集約結果を踏まえて、「支給額 2・7月+40000円 支給日 6月28日」(職務段階別加算の撤廃・一律増額)で集約され、同日、午後5時に市側に申入れしました。
 また、2002年度本部役員選挙管理委員会も設置されました。


☆コラム「中之島」
▼家電リサイクル法が施行されたサカイ、かえって家電の不法投棄が増えたがな。燃えへんゴミとなった家電の山が雨にさらされ、有害物質を垂れ流す姿を想像するとやりきん。こまめに修理して長く使うことができたら不法投棄も減るやろうが、個人がそう心がけたって、メーカーの事情が許せへん▼この間も、ある家電製品が故障して修理の人を呼んだら、「このタイプの部品はもうありません」とのこと。製品の耐用年数は約一〇年やのに、部品の保存期間は八年や▼「つまり、修理をするな、新製品を買えってこと?」「まあ……」「ってことは、新製品の分だけ、燃えへんゴミも製造していることになるわけ?」「個人的には修理して喜ばれたいですよ。でも、営業成績もしっかりチェックされますし……」▼そらそうや。社員の「正義」は消費拡大。環境破壊がどうのなんて人間的倫理は巨大な経済システムの前にむなしい▼環境破壊の最たるものは、軍需産業の消費拡大運動や。アフガンヘの報復爆撃は、ブッシュ政権に莫大な献金をした軍需産業にとって大きな見返りとなったはずや。「悪の枢軸」発言は、軍需産業にさらなるビジネスチャンスを与えかねへん▼各国が批判するこのブッシュ発言に理解を示し、評価する小泉首相は、世界平和と環境保護への動きも踏みつける「抵抗勢力」になってしもうた。


2〜4面の記事 
【特集】有事法制は絶対にNO!第3弾
※この特集記事は「憲法会議」発行、月刊「憲法運動」5月号より、一部転載しています。

☆特集 「有事」ってズバリ戦争のことだ! STOP!有事法制

Q&A 有事法制3法案を斬る(前号からの続きです)

<いくらでも広がる「指定公共機関」> 

 「指定公共機関」とはどういうものですか。

 武力攻撃事態対処法案では「指定公共機関」について、「独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を含む法人で、政令で定めるもの」(第二条五)とあります。政令で定める法人というのですから、政府が「公益的」と認定しさえすれば、いくらでも広がる危険性をもっています。同じ指定公共機関の協力について定めている災害対策基本法の場合には、60機関に及んでいます。この中には、消防研究所、防災科学研究所、港湾空港研究所などの独立行政法人、首都高速道路公団や本州四国連絡橋公団などの道路公団、NTT、NTTドコモなど関係九社、北海道・東北・東京など電力10社、JR7社などが入っています。この指定公共機関は「国及び地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態への対処に関し、その業務について、必要な措置を実施する責務を有する」(第六条)となっています。
 これらの「指定公共機関」が必要な対応をしない場合には、首相は別に定める法律にもとづき自分で、または関係大臣をつうじて、必要な対処措置を「実施させることができる」とありますから、強制力をもつことになります(第十五条)。 たとえばマスコミについていうと、NHKばかりではなく民放も含めることが検討されていますが、今後の法制整備の基本方針との関係では、「有事対処法制について国民の理解を得るために適切な措置を講ずる」(第二十一条六)とあります。マスコミを使って世論誘導をおこなうことも考えられるわけです。公然たる「報道統制」としては登場しませんが、こうした形でマスコミ統制がおこなわれることをみておかなければなりません。 くわえて、法案には、「国民は、…指定行政機関、地方公共団体又は指定公共機関が対処措置を実施する際は、必要な協力をするよう努めるものとする」(第八条)として、国民全体に対して協力するよう努力することを義務づける条文が追加されました。罰則こそつけられていませんが、協力するのが当たり前で協力しないものは異常という社会的レッテルを貼ることになります。教育の場などで「協力することが正しい」と教えることが強制される危険もあります。

<あらゆる分野で軍事優先>

 自衝隊法以外にも多くの法律が改悪の対象になっていますね。

 自衛隊の行動の制約になる法律について、自衛隊については適用除外にしたり、特例を設けるものが対象になっています。ジャンル別に示すと次のとおりになります。
 @部隊の移動、輸送…通行する道路の応急工事を道路管理者の承認なしにおこなったり、道路工事に必要な警察署長への手続き緩和(道路法、道路交通法)
 A土地の利用…海岸保全地域、河川区域自然公園、緑地保全地域、漁港区域等に建築をおこなうことや、保安林における樹木の伐採などをおこなうための特例や適用除外(海岸法、河川法、森林法、自然公園法、漁港漁場整理法、港湾法、都市公園法、都市緑地保全法、土地収用法、土地区画整理法、首都圏近郊緑地保全法、近畿圏の保全区域の整理に関する法律、都市計画法)
 B建築物建造…応急建築物の建造(建築基準法、消防法)
 C衛生医療…野戦病院の建設(医療法)
 D戦死者の取り扱い…隊員の戦死者の隊による埋葬(墓地、埋葬に関する法律) いろいろな法令分野に一気に軍事優先の体制をもちこもうとするものであることは明らかです。とくに、河川港湾、海岸、道路、公園など自治体が管理し、住民の安全や環境保全、災害防止などのために適切に行使されなければならない許可権限などが無視されることは重大です。また、たとえば土地収容法のように、戦前の法律では対象の第一にかかげられていた「軍事目的」の土地収用が、戦後、「新憲法下では妥当ではない」として削除されたにもかかわらず、それを復活させるものもあります。
 また注意して見なければならないのは、これらは、政府がどうしても法律に反すると判断したものにかぎったものであることです。今後の立法で追加されるものもありますが、他の法律については、最大限に拡大解釈したり、自衛隊のために設けられたのではない特例を自衛隊にそのまま適用したり、あるいは「緊急」を理由とした運用面で切り抜けようとしているのです。たとえば、戦車が救急車やパトカー同様に緊急車両の指定によって赤信号を無視できるようにするとか(道交法)、夜間の入港については港長の迅速な許可または緊急用務船舶の指定をうける(港則法)などです。また、火薬類を野外に集積することについては、安全措置を講じるとして火薬類取締法を無視するかまえです。

<テロ、「不審船」の問題は?>

 最初のうちはテロとか「不審船」の問題も強く主張されていたようですが。 

 もともとテロとか「不審船」の問題は警察力で対応するもので、これを有事法制の対象にすることには与党の内部にも異論がありました。しかし、小泉首相らの強い意向もあって、「武力攻撃事態以外の国及び国民の安全に重大な影響を及ぼす緊急事態への対処を迅速かつ的確に実施するために必要な措置を講ずる」ことが今後の法整備の課題として盛り込まれました。
 自然災害など民事で対応すべき問題や犯罪行為として警察力で対応すべき問題と、軍隊によって対応する問題の境界線をあいまいにし、軍隊がさまざまな機会に出動できるようにしようとする企ては、実は有事法制研究開始の当初からありました。たとえば「戒厳は戦時又はこれに準ずる内乱時に宣言するばかりでなく、公共の安寧秩序を保持する必要がある経済的非常時、伝染病の大流行時その他地震、大風水害等の大災厄時にも戒厳を宣告し得る余地を残して置くのが最近の世界の一傾向であるから、わが国でもこの傾向に従うことが望ましい」(大西邦敏、防衛庁委託研究報告書「列国憲法と軍事条項」)などです。いわば、「自然的民事的災害から戒厳規定の必要を弁証する周知のルート」(古川純「自衛隊と非常事態」『軍事民論』77年1月号)といえます。
 しかし、戦前の歴史をみれば、その危険性は明らかです。それは戒厳令が出されないのに軍隊が造船所のストライキや米騒動などに出動して弾圧し、戒厳令がしかれた関東大震災にいたっては軍隊が暴走して多数の朝鮮人や進歩的労働者の虐殺をおこなったように、あらゆる機会に国民生活を軍隊の監視下におき、その行動を規制したり、生命を脅かすものとさえなるからです。いまでも、アジアの軍事政権の国では、反政府デモにたいして軍隊が発砲しています。

<今後どのような法制の整備がめざされるか>

 今後の整備項目としてはどんなことが考えられているのですか。

 主には自衛隊や米軍が軍事作戦を展開している最中にかかわる法制で、次のような項目があげられています(第二十二条)。
 @国民の生命を守り、国民生活の影響を最小とする措置…警報の発令から避難の指示、被害者の救済、消防などや国民生活、社会秩序の維持。
 A武力攻撃を終結させるための措置…捕虜の取扱い、電波の利用、船舶や航空機の航行など。
 B武力攻撃を排除するための米軍の行動を円滑にするための措置
 これらは、国民全体を戦時体制下におく法制といってよいでしょう。
 たとえば避難の指示ということになると、一定の地域を立ち入り禁止や通行禁止にすることになります。いわば、国民の行動を規制するものです。また社会秩序の維持となれば、集会やデモを禁止し、軍隊が検問その他の秩序維持をおこなうことになります。
 また、民間の船舶・航空機の航行が制限ないし禁止され、自衛隊や米軍が空港や港を占拠することになります。捕虜の人道的取扱いのためにジュネーブ条約の国内法化をはかることも予定されていますが、これは普通の人道条約ではなく、交戦国のあいだの条約です。したがって、これを国内法として制定すれば日本は交戦権の行使を国際的に表明することになります。米軍が自衛隊と同様、自由に日本国内で行動したり、施設の利用、物品や役務の提供に不便がないようにするための法制の充実もはかられます。
 これらの法制を整備する期間として二年の期限を設けているのも異例のことです。国会は、法案も示されずに法律を成立させることを約束させられるわけです。 

次に どのような体制、手続きで対処するか

<首相に強大な権限>

 どのような事態を「武力攻撃事態」だと判断し、どのような手続きで対処するかが大きな問題になりますね。

 法案では、「武力攻撃事態」に対処する手続について、@首相は「武力攻撃事態」とみなすかどうか、「武力攻撃事態」とみなした場合、対処に関する全般的な方針を内容とする「対処基本方針案」を安全保障会議に諮問し、A答申された「対処基本方針案」を閣議決定し、B内閣のなかに武力攻撃事態対策本部を設置し、行政各部、指定公共団体、地方公共団体をつうじて「対処措置」を実施する、と定めています(第二章)。
 安全保障会議は、1986年にそれまでの国防会議を引き経いで内閣のもとに設置された機関で、これまで防衛予算実の審議や国防の基本方針、防衛計画の大綱などを検討するものとされてきましたが、今回はその任務に「武力攻撃事態」の「対処基本方針」の諮問をつけくわえることが提起されています。首相を議長に内閣官房長官、外相、財務相、経済財政担当相、防衛庁長官、国家公安委員長が通常のメンバーとされてきましたが、今回はこれに総務相、国土交通相が、くわえられました。つまり、外交、財政、防衛、産業、交通と戦争に関係する大臣による「政府の中の政府」です。そして、今回の改悪案では事態対処専門委員会という内閣官房長官を委員長とする補佐機関を設置し、必要な事項に関する調査や分析をおこなうことになっていますが、実質的にはここで対処方針の原案がつくられることになるでしょう。そして、委員会の構成メンバーは新ガイドラインにもとづくアメリカとの調整メカニズムの日本側のメンバーとも重なるとみられており、対処計画を立案する段階からアメリカと食い違いがおこらないようにしようとする仕組みもつくられることになります。
 ところで、安全保障会議も閣議も対策本部も責任者はすべて首相です。つまり、首相は自分で安全保障会議に諮問し、自分で答申を出し、それを首相が主宰する閣議にかけて自分で執行することになります。もちろん、首相は自衛隊の最高責任者でもありますから、自衛隊の出動命令を出すことになります。
 「国権の最高機関」(憲法第四一条)とされる国会はどうなるのでしょうか。法案では、「対処基本方針」を閣議決定した場合には「直ちに…国会の承認を求めなければならない」(第九条六)とあります。ところがその後に「対処基本方針」にたいし、国会の「不承認の議決」をしたときは、「当該議決にかかる対処措置を速やかに終了しなければならない」(同条十)となっています。つまり、国会にはかる前に首相は対処方針を実行してよいということです。自衝隊の防衛出動については、原則は事前の国会承認ですが、これも「緊急の必要がある場合」は出動したあと「ただちに」国会の承認をえればよいとなっています。そうすると、自衛隊の出動を含めて有事法制の発動は国会の承認をえないままおこなえることになります。いったん自衛隊が行動を開姑したという状況のなかで、しかもマスコミや国民に協力が強制されているなかで、国会が首相の決定を否定するということは考えにくく、国会は事実上横におかれてしまうことになります。

<地方自治体も指揮下に>

 国と地方自治体、指定公共機関の関係はどうなりますか。

 「武力攻撃事態」に対応するために、「国、地方公共団体及び指定公共機関が国民の協力を得つつ、相互に連携協力し、万全の措置が講じられなければならない」(第三条)とされています。そして、その個々の責任、役割はつぎのように定められています。
 「国」は「組織及び機能のすべてを挙げて」対処するとともに、「国全体として万全の措置が講じられるようにする責務を有する」となっています。
 「地方公共団体」は「住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有する」から、国や他の地方公共団体と協力して「必要な措置を実施する責務を有する」とされています。「指定公共機関」も、「その業務について、必要な措置を実施する責務を有する」となっています。
 この場合、国と地方自治体の関係は、国は、武力攻撃事態への対処に関する「主要な役割を担い」、地方自治体は住民の生命、身体及び財産の保護に関して、「国の方針に基づく措置の実施」にあたる(第七条)ことになっています。首相は「行政各部を指揮監督する」だけでなく、地方自治体にたいしても「総合調整」と称して「国の方針」をおしつけ、「事態に照らし緊急を要すると認めるとき」は、首相自ら実施するよう指示し、この指示が実行されないときは国がかわりに執行する(代執行)ないしは国が直接執行する(並行権限の行使)という最強の関与をおこなうことになっています。
 この点でもう一つ注目しておかなければならないのは、首相は、対策本部長の権限を「指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる」(第十三条)とあることです。指定行政機関には当然防衛庁も入ることになるでしょうから、その地方組織である陸上自衛隊方面隊、航空方面隊、あるいは地方の司令部なども指定地方行政機関になりうるわけです。そうなれば、自衛隊員が直接地方自治体にのりこんで、「総合調整」の具体化をはかったり代執行をおこなうことにもなりかねません。
 地方自治体が住民の生命、身体、財産を守るのは当然ですが、それは地方自治体の自主的判断によるというのが憲法九二条にいう「地方自治の本旨」であり、だからこそ地方自治体にも「行政を執行する権能」(九四条)が保障されているのです。そのため、たとえば、周辺事態法(第九条)では、自治体の首長には「必要な協力を求めることができる」、国民に対しては「必要な協力を依頼することができる」とあり、これは強制ではないことが強調されました。これすらも乗り越える法案は、地方自治の原則を完全に否定するものです。
 指定公共機関も同様で、首相の「総合調整」にたいして「意見を申し出る」ことはできますが、それの指示に従わないときには前に見たように国が直接執行することができることになっています。

<被害の補償と赤字国債の増大>

 こうした協力の強制で国民が被害をこうむったとき、その補償はどうなるのですか。

 自民党の山崎幹事長は、記者会見で被害の補償について質問を受けたとき、「それは被害じゃない。全体の利益を守るためにはやむをえないことだ。国家全体の利益だ」と答えています(2月5日)。ここにも国民よりも「国」を優先する考え方が露骨にあらわれています。
 しかし、民間企業にも協力を要請するのですから、まったく損失の補償をしないわけにはいきません。法案には協力した場合は必要な補償をすることが盛り込まれています。出動する自衛隊員への特別手当を含めると相当な額になることも考えられますが、しかし、それはあらかじめ予算として組まれているわけではありません。結局、赤字国債の発行ということになり、国民はこの面でも負担の増加を迫られることになります。

今から  国会審議とたたかいの展望

<日本国憲法を全面的にじゅうりん>

 政府や与党はこれまで「憲法の枠内で有事法制を制定する」などといってきましたが、とんでもないですね。

 これまでみてきたように、国民主権と国家主権、恒久平和、基本的人権、議会制民主主義、地方自治という日本国憲法の基本原則のどれ一つをとっても、有事法制と衝突しないものはありません。冒頭に紹介した金森国務大臣が心配したように、まさに憲法の「破壊」です。
 とくに日本国憲法は「侵すことのできない永久の権利」(第九八条)として基本的人権を保障しています。ところが、今回の法案では、国民の基本的人権への言及がなされるのは、「対処に関する基本理念」の四番目(第三条4)で、しかも「国民の由由と権利に制限が加えられる場合は、その制限は武力攻撃事態に対処するため必要最小限のもの」と居直っているありさまです。冒頭の金森国務大臣の発言にみられるように、日本国憲法はこの国民の基本的人権を守るために非常事態の規定をおかなかったのです。ですから政府もこれまで、徴兵制は憲法一八条の「犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」との精神に反すると言わざるをえませんでした。今回の法案による業務従事命令や指定公共機関をつうじての強制も同じことがいえるはずです。また収用命令が、国民の財産権の侵害(第二九条)に違反することは明らかです。
 さらに言えば、憲法の保障する「良心の自由」(第一九条)との関係でも重大です。これは近代民主主義の基礎をなす人権であり、日本政府も、いかなる理由があろうと制限できないとしているものです。「国防の義務」を定めているドイツ憲法ですら「良心的兵役拒否」を認めています。いわんや日本国憲法第九条は「陸海空軍その他の戦力」の保持を禁止し、交戦権を「認めない」としているのです。この憲法の精神に従って戦争に反対する者に、業務をつうじてであれ、物資・施設の提供をつうじてであれ、協力を強制することが許されるはずはありません。

<憲法に反しないとする政府の口実> 

 それでは、政府は憲法との関係をどのように説明しようとしているのでしょうか。

 政府はすでに、「我が国が外部から武力攻撃を受けた場合に国家、国民の安全を確保することは公共の福祉を確保することにほかならない」から憲法に違反しない(2001年3月30日、森喜朗首相答弁書)という答弁でのぞむ姿勢をうちだしています。
 こうした立場をささえるため、政府が今回の法案を作成するにあたって最大のよりどころにしたのが災害対策基本法です。災害対策基本法は、自然災害、大規模な火災・事故等を対象に、「国は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することにかんがみ、組識及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の責務を有する」(第三条)として、「公共の福祉に重大な影響を及ぼす」ような「異常かつ激甚な」災害が生じた場合、首相は「災害非常事態」を布告し(一〇五条)――これは20日以内に国会の承認を得なければならない(一〇六条)、自らがその長となる災害対策本部を設置し、事態に対処するとなっています。そしてこの事態において、経済秩序の維持および公共の福祉を確保するため「緊急の必要がある」にもかかわらず国会の審議を得ることができないとき(閉会中または衆院解散中、召集や参院の緊急集会が困難なとき)、生活必需物資の配給等の制限、物価統制、金銭債務の支払いの延期などについて罰則を含む「政令を制定することができる」とあります(一〇九条)。すでに先例があるというわけです。
 この災害対策基本法の非常措置についても行政権による誤・乱用の危険が指摘されていないわけではありません。しかし、平時の防災努力を万全にしても、予想できない災害の発生を否定することはできません。そうした場合の一定の非常措置まで憲法が否定しているとはいえません。災害の時に医薬品や食糧を隠匿して価格をつりあげ不当な利益を得ようとはかったり、医者や看護師が診療を拒むなどのことが人道上も許されないのは当然であり、これらを規制することこそ、憲法にいう「公共の福祉」です。これにたいして、戦争は防げるものであり、だからこそ日本国憲法は第九条をおいているのです。日本国憲法が禁止している戦争、しかもアメリカのおこなう戦争への協力を迫る有事法制を自然災害等への協力と同列におけるはずがありません。

<カギをにぎる世論のもりあげ>

 こんな重大な法案を、この通常国会で成立させようとしているのでしょうか。

 そうです。与党は特別委員会を設置して審議を急ぎ、今回提出した法案については、今国会で成立させるとしています。そのため、早くも国会会期の大幅延長すら話題になっています。
 しかし、法案提出まで二転三転し、法案提出が予定より大幅に遅れたように、政府与党内に矛盾がないわけではありません。そのなかには、戦前の“有事づけ”の体験から、事の重大性を実感している声もあります。また、あまりにも露骨に憲法を踏みにじることへのとまどいもあります。こうした矛盾は、今後の国会の審議のなかでさらに明らかになるでしょう。
 しかし、そうした矛盾を表面化させ、拡大して法案を廃案へと追い込むカギをにぎっているのは世論です。たしかにまだ国民の中には「イザという時に備えることは必要ではないか」の声もあります。こうした国民への働きかけを含めて、この有事法制の危険性を徹底的に知らせていくことが急務です。この内容を知っても賛成する人はごくわずかでしょう。
 そのためには、@学習・宣伝を文字どおりあらゆる職場・地域・学園に広げること、A反対署名を集め、定期的におこなわれている国会行動に結集する、Bとりわけ地元出身議員には有権者として要請行動をおこない、地元の自治体には反対決議の採択を求める、などさまざまな行動が考えられます。ともかく21世紀の日本の進路にかかわることです。おおいに知恵をはたらかせ、創意を発揮しょうではありませんか。そして、思想や立場をこえて戦争をする国家づくりを許さないために力をあわせましょう。

☆有事法制反対!!組合員100人の声

 ついに明治憲法がよみがえり、小泉純一郎が、天皇に昇格なさる日が来るのでしょうか。支持率急降下の人が、考えることなのか。日本の国をどのように破壊しようとするのか。有事法制絶対反対
<淀川区役所  粟井 道大>

 戦争をする国に大きく足を踏み出す有事法案は、決して認められない。
先制攻撃さえも認められるような法案は、この国の未来を危うくする。
みんなの力を合わせ、必ず阻止しよう。
<東成区役所  今井 久冶>

 人類の未来に、「平和」の大切さを指し示してきた日本国憲法。
それと、まったく相容れない有事法制三法案。
なんとしても、阻止しなければなりません。
 二度と再び、戦争をしないと決めたわが国が、戦争の道へひきずりこまれるのは、ゴメンです。
 21世紀が、人を傷つけ殺める目的の道具が無くなり、人間の本当の歴史である、貧困と殺戮のない世紀になるよう、平和を願うすべての人々との共同行動を。
<東淀川区役所  表 真二>

 なんでいま有事法制なんだ。小泉内閣は、日本を外国の侵略から守るためだというが、どこの国から侵略されるのだ、とい言いたい。今国会で審議中の有事三法案の一つである「武力攻撃事態法案」は、三年前に強行成立した「周辺事態法」では戦争へ国民を強制動員するのに強制力をもたないので、アメリカから不満が強まり今回の有事法制で罰則までもうけて強制しょうといる。
 法案が通っても日本から戦争をしないなどと思っていたら大間違い、アメリカの引き起こすこ戦争に日本が参戦する仕組みになっているのだから。
<住宅局   亀井 勝正>

 平和こそすべての土台 憲法9条を世界に広げよう
 アメリカの対テロ戦争に終わりはありません。戦線はますます拡大しています。
日本がアメリカに追随し、周辺事態法を作ってまでこの戦争に加担していることは許せません。このうえ有事立法ができたら、アメリカの戦争に国を挙げて協力する体制が作られるでしょう。
 日本は憲法9条の精神を高く掲げて平和へのリーダーシップを取って欲しい。有事立法は明白な憲法違反です。反対運動を広げましょう。
<環境科学研究所 北瀬 照代>


「有事法制」に反対!!
 「有事法制」は、土壇場まで内容を明らかにしていませんでした。たとえば、自衛隊が軍備出動し、陣地を築くために住んでいる家を自由に破壊することができる。もし断れば処罰されることなど、国民に知らせていないことがほとんどです。わたしたち、自治体労働者が戦争協力させられるような事態にならないように、「有事法制」悪法である内容を知らせ、この法案を廃案にするよう共に闘いましょう。
<天王寺区役所 岩田 健一>


 「有事法制関連3法案が制定されたら…どうしょう!」なんて議論は職場ではなかなか起こらない。でも、この法案はとっても危ない!危ない!法案です。「子どもたちの将来は戦争と共に!」なんてことになってしまう。かつての軍事国家だった日本に逆戻りして、言論の自由を奪われ、人権を奪われるのは嫌です。きれい事という人もいるけれど、私は武力で平和を勝ち取ることはできないと思います。日本には憲法第9条という立派な平和憲法があります。みんなでこの憲法を守り、アメリカ政府の言いなりにならず、アメリカと真の友好を築いて行きたいです。
<旭区清水保育所 西村 千明>

 太平洋戦争での父の戦死と、戦後の社会の混乱により、家庭生活を破壊された、昭和20年〜30年代を忘れる事が出来ません。日本国憲法制定後の社会で生活して50年余、憲法が定着して、当たり前と思うほど平和と自由を満喫した。これを有事立法によって後退させてはなりません。何人にも拘束されない素晴らしい日本国憲法下の平和と自由を、軍国時代の日本を知らない世代と、永遠に共有したい。有事立法阻止の闘いを全ての世代と連帯して廃案に!
<平野区役所 廣瀬 平四郎>

 私も、戦争を知らない世代の一員ですが、若い頃は諸先輩から、戦争の悲惨さをリアルに聞かされました。今回の有事立法制定策動は、わが国を戦前の暗黒政治へ引き戻そうとするもので、何としてでも阻止しなければなりません。小泉内閣の企みに対して、あらゆる団体が立場の違いを乗り越え、反対していかなければならないと考えます。私も、初心に戻って奮闘していくつもりです。北大阪支部<旭区役所 池内 正>

 私は、戦後生まれの55歳。幼少の頃、母や姉から租界地の奈良でアメリカ心のグラマン戦闘機に追われ田んぼの畦道に逃げ隠れしたことや、悲惨な大阪空襲の話も聞かされました。それが3年前には、「周辺事態法」でアメリカの後方支援をし、今国会では、攻撃の「おそれ」や「予測」があると政府が判断すれば有事法制を発動する、法律を押し通そうとしています。憲法違反の自衛隊を持ち、有事法制まで持てば「備えあれば憂い有り」では、ないでしょうか。有事法制3法には絶対反対です。
<平野区役所 森 武夫>


 人は、本当に自分の言いたいことを表現する場合でも、ずばりと言わずにオブラートで言葉を包むことがよくある。相手が受入れにくい話はとりわけそうである。今、「有事法制」の4文字が新聞をにぎわせている。しかし、この「有事」というのがいかにもくせものである。武力攻撃事態法案は、「国民の自由と権利」についてすべてに「制限」がありうるとし、戦争反対の集会や報道の自由の制限も可能との考えかたを明らかにしています。有事法案は戦争時の取り決めそのものである。
<東住吉区役所 森 栄克>


 今国会で有事法制3法案が審議されている。この法案は、憲法第9条とあいいれない、戦争参加法案である。あの世界の憲兵を名乗る米国が起こす先制攻撃の戦争に、武力攻撃の恐れがあると定義付ければ自衛隊は「武力の行使」ができるという、とんでもない法律である。
 また、自衛隊が食料や燃料など何でも必要だといったら、業者・国民は強制的に供出させられる。あの恐ろしい国家総動員法の再来である。この法案の恐ろしさを広く宣伝し、廃案に追い込まなければならない。
<建設局 中島 春樹>


☆市労組レーダー
○ひきつづき東大阪民主市政の実現を
 長尾淳三市長の推薦を決定


 市労組は、5月21日にヴィアーレホールで開かれた、拡大闘争委員会で、東大阪民主市政を守り発展させるため6月23日告示、6月30日投票で行われる東大阪市長選挙で長尾淳三市長の推薦を決定し2期目にむけた支援に全力あげることを確認しました。

○自治労連機関紙コンクール
 大阪市労組の新採宣伝パンフ等が優秀賞に

 第13回自治労連機関紙コンクールの表彰式が、5月23〜24日に開かれた第17回自治労連全国教宣交流集会で行われました。
 市労組からは、第3種(支部・分会・補助組織の機関紙)で「にしなり手帖」(西大阪支部・西成区役所分会)が優秀賞に、第4種(ポスター・ビデオ・CD・雑誌ほか)で本部の新採宣伝(ビデオ・ニュース・パンフ)が優秀賞に、部門賞では、「情報ねっとわーく」(本部)が雑誌賞に、「しょうてん」(生野区役所支部)が日刊紙賞にそれぞれ選ばれ、市労組の機関紙活動の水準の高さを示しました。

〇新入職員歓迎市労組ボウリング大会
優勝は、高田真一さん、団体は南大阪支部チーム

第12回市労組ボウリング大会
 5月29日、市労組恒例の「新入職員歓迎・第12回ボウリング大会」が、桜橋ボウルで開かれ、大いに盛り上がりました。ボウリング大会の結果は次のとおりです。

ボウリング大会の成績
<個人の部>
優 勝  高田真一さん(西大阪支部)
2  位  猪口康博さん(南大阪支部)
3  位  三浦一仁さん(西淀川区役所支部)
<団体の部>
優 勝  南大阪支部チーム

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