第274号 2002年11月15日号

    機関紙「大阪市労組」に掲載した記事を紹介します

1面の記事
☆告知板
  11/15 自治労連近畿ブロック秋季闘争交流集会
  11/16 保健所を守る大阪市民の会第8回総会
  11/16 府民関西空港シンポジューム
  11/18 第94回大阪市研究会例会
  11/20 全労連全国統一行動
  11/20 大阪労連全労働者総決起集会
  11/22 保健センターの区役所統合問題額集会
  11/28 昇任昇格差別裁判勝利和解5周年記念集会
  11/29 第19回まいど美術展(〜12/4)

☆秋季年末闘争勝利市労組連宣伝・総決起集会
市役所労働者の団結で
断ち切ろう!不況、リストラ、賃下げの悪循環

はね返そう!賃下げ攻撃
淀屋橋で市民向けに宣伝(11月12日)
 「マイナス・賃下げ人勧」は、これまで以上に激しい小泉「構造改革」の突破口であり、さらに、この攻撃は、民間労働者の「賃下げの悪循環」を推し進め、国民経済・地域経済をいっそう深刻にするものです。不法・不当な「賃下げ勧告」が押し付けられる情勢の中、市労組は、いち早く2002年人勧のねらいや背景・その不当性について宣伝・学習活動を積極的に進めてきました。当初の「しかたがない」から「賃下げはおかしい」という変化が職場に生まれています。秋季年末闘争のヤマ場にいよいよ突入です。市民・民間労働者との共同の力で攻撃をはね返しましょう。

公務・民間を競いあわせる、賃下げの悪循環を断ち切ろう

 民間でも公務の職場でも、人減らしや賃金引下げによる人件費の削減が当然のようにすすめられています。民間の賃金が下がったから公務を引き下げる、公務が下がったので民間を下げる―
際限のない賃下げ競争の悪循環を断ち切らなければ、労働者全体の状態悪化がすすみ、消費不況がいっそうひどくなります。景気回復のためにも、市民・民間労働者と公務員がともに力をあわせ、賃下げ攻撃をうちやぶり、まともな賃上げをかちとることが求められています。

市労組連が淀屋橋で対市民宣伝を実施

淀屋橋で市民向けビラ宣伝 大阪市役所労働組合総連合(=市労組連)は、市民・民間労働者に呼びかけ連帯しようと、11月12日(火)夕方、淀屋橋に大阪自治労連の宣伝カーを配置して街頭宣伝を繰り広げました。弁士は来賓として大教組山本剛副委員長と大阪国公山田哲副委員長。市労組連からは、小門孝仁執行委員長(市高教)、副委員長の潮見芳廣(市教)、成瀬明彦(市労組)、藤嶋具治(市障教)、 西山博実(学現労)の各氏が行いました。
勤めを終えて帰宅を急ぐ市民・民間労働者に力強く訴え、市労組連の作成した「市民生活を一緒に守りましょう」との市民向けビラをいっきに撒ききりました。

断固たたかう決意で市労組連総決起集会

 同日、本庁南側公園で開かれた「秋季年末闘争勝利市労組連総決起集会」では、書記長の中山直和さん(市労組)が基調報告を行い、「市側は市労組連との団体交渉で、マイナス人勧のみならず、市長や与党会派が5%歳費削減を表明し、職員にもそれをおい被せようとしている。さらに、55歳昇給停止や初任給削減に言及しているが、とんでもないことだ。市長の給料の5%は微々たるもの。私たちにとっては大変なことだ。また、人件費は大阪市財政ひっぱくの理由ではない。これは本庁舎前での市労組連総決起集会胸をはって言えることだ。失政を改めることは今からでも可能で、桁の違う話だ。職員への無駄遣いのしわ寄せは許されない。理を尽くして断固たたかおう」と、市労組連が一丸となって賃金確定闘争をたたかい抜くことを訴えました。
 単組からは、梅田博久さん(市労組)や前垣泉さん(市教)などが職場の実態報告やILO要請団の一員としての報告と決意表明を行い、成瀬明彦副委員長(市労組)の発声で、参加者は「ガンバロー」のシュプレーヒコールを力いっぱい行いました。


☆当面の闘争予定・日程
● 11月15日(金)  市労組連賃金確定対市団体交渉(3回目)
● 11月20日(水)  全労連全国統一行動・時間外職場集会
● 11月20日(水)  秋季年末闘争勝利市労組連総決起集会
● 11月20日(水)  大阪労連・大阪春闘共闘委員会「大阪労働者総決起集会」
● 11月25日(月)(予定) 秋季年末闘争勝利市労組連単組役員集会
● 11月25日(月)(予定) 市労組連賃金確定対市団体交渉(4回目)


☆コラム「中之島」
▼東京では、100円うどんに行列ができ、80円のハンバーガーや200円の牛丼で昼食を済ますサラリーマンが増えているという。主婦向け雑誌の「10円おかず」が人気になり、「無収入になった時」の夜逃げのやり方まで載せている新聞も出る時代になった▼「金融は経済の血液」といわれる。この血液をせき止め、中小企業への貸し渋り・貸しはがしを一気に激化させているのが、小泉内閣の強引な不良債権処理策だ。今回、政府はこの方針を見直すどころか「加速」することを決めた▼いま「不良債権」と呼ばれている中小企業は、ほとんど契約どおりにお金を返済しながら、不動産や担保の価値が下がっただけのものだ。今回の決定はこの現実を無視した「暴走」という以外にない▼韓国では、「不良債権処理策」で主要銀行9行のうち7行が国有化され、一般銀行6行がアメリカの大手投資銀行などの外資に売り渡された。しかもその際に使われた公的資金は、韓国のGDP(国内総生産)の三割にもなったという▼銀行の自己資本が減ったら、公的資金を注いで国有化をはかり、それをアメリカの大手投資銀行が食い荒らす。さらに不良債権が市場に出されて、「ハゲタカ・ファンド」と呼ばれる投機集団が餌食にする。このように、国を売る道をすすんでいるのが、「不良債権処理の加速」方針だ▼「加速」策が実行されれば、大手銀行だけで93兆円もの「貸しはがし」がおき、332万人の新たな失業者が生まれると民間のシンクタンクが試算を発表した。かつてない不況に直面しているときにこんな方針を強行すれば、どれほどくらしと経済を落ち込ませることになるのか。「学者大臣」としての竹中平蔵金融・経済財政担当相の言動に目が離せない。


2〜3面の記事
☆市長(月額155万円→147万円)
 与党会派市議(月額105万円→99万円)の報酬カット表明による

職員の給与5%カットおしつけはスジちがい!

市財政ひっ迫の原因は明らか 
大規模開発/3セク・土地信託

 マイナス人勧が、消費不況にさらに追い討ちをかけ、市税収入の減少に結びつく危険性が指摘される中で、それを上回る「給与カット」問題が急浮上しています。
 9月25日に市長が、10月18日に市会与党三会派がそれぞれ「報酬の5%カット」を表明しました。その圧力からか、意向をしん酌した市当局の「給与カットを含めた総人件費抑制」の提案が出されています。
 2年前まで、オリンピック招致をめざし「堅固な財政基盤」を誇っていた大阪市が、実はベイエリアの大型開発や第3セクター・土地信託事業などによる大失政で大変な状況になっていたのです。その責任をあいましにし、そのツケを職員に押し付ける提案に職場から怒りが巻き起こっています。

なぜ、赤字のツケを 職員・市民に押しつけるのか?
市長は説明責任をはたせ

 長期の不況による市税収入の減少が続いています。そんな中でもムダな大規模開発事業が続いています。WTCへは昨年度までに410億円の財政支援をし、今後の15年間を含めて960億円の支援を計画しています。これまでの財政支援にもかかわらず、第3セクター5社の累積赤字は1148億円(2002年3月期)、土地信託事業の借入金残高は1636億円(2002年3月期)と膨大な額に上ります。これらの事業を推進した当局の説明責任が鋭く問われています。
大規模開発/3セク・土地信託
ISOの時代に総事業費2000億円も・・・・
○新人工島整備205億1400万円(2002年度予算)
○WTCへの貸付40億円(2002年度予算)
○大深水コンテナ埠頭整備71億5900万円(2002年度予算)
○フェスティバルゲート他
  土地信託6事業で借金残高1636億円(2002年3月期)



大規模開発/3セク・土地信託
年間1000億円を投入!
人件費5%カットで削減できるのは年間159億円
財政ひっ迫の抜本的解決にならず職員の生活苦まねくだけ

 大規模開発や第3セクターの赤字の穴埋めなどに投入している予算は約1000億円にものぼります。(2002年予算から)一方、人件費5%カットで削減できる人件費は159億円(2002年人事委員会報告ベース)のみ。これでは、改善される見通しは立ちません。しかし、職員にとって5%カットは、極めて深刻です。市長や市会議員さんの100万円を超える報酬から5%削減することとわけが違います。なぜなら、大根の値段は市長でも職員でも平等に同じ値段なのですから……。

マイナス人勧・公務員賃金カットがもたらす
「悪魔のエスカレーター」
悪魔のエスカレーター
賃下げ→消費不況→業績悪化→リストラ→景気悪化→賃下げ

民間労働者や
市民のくらしにも大打撃!


 マイナス人勧が出たときに民間職場では「来年の春闘はたいへんやな一」というつぶやきが出たといいます。公務員の賃金が民間労働者の賃金に直接的に影響を与えている実態を物語っています。今年8月30日には、大阪の民間産別の労働組合が名前を連ねて大阪市人事委員会に申し入れしました。「マイナス勧告をやめよ!」の強い要請でした。全国でも最悪の消費不況にあえぐ大阪の経済に、公務員労働者の賃金ダウンはさらに深刻な追いうちをかけることになります。公務と民間たそがれ清兵衛の賃下げの悪循環は消費不況し企業の業績悪化Jリストラ・失業"〉景気悪化H〉さらなる賃下げという、下り専用の悪魔のエスカレーターにのせられることになります。



たそがれ清兵衛の時代、藩の台所が苦しいという理由で、藩士から禄米の借上げが行なわれていた。清兵衛のように軽輩の家では、暮らしに窮して内職をするほかなかった。藩はそれを咎めるどころか、奨励もしていたという・・・・・。
 現在、山田洋次監督の初の時代劇として話題上映中。




仕事でも、賃金のことでも
住民の役にたちたいから


市労組青年部書記長 長谷川 晶子

 子どもたちが、元気いっぱい走り回る楽しい保育所で働いています。不況の影響は子どものお父さんお母さんにもスゴく出てるって感じています。子どもたちをはじめ市民にとって、あたたかい社会をつくることが私たち公務員の役割だと思います。私は保育の仕事を通じて役立ちたいと願っています。私たち公務員の労働条件が悪化したら、良い仕事が出来なくなってしまいます。そんなことにならないよう、保育でも組合でもがんばります。

「マイナス人勧」は、世界では非常識です

―ILO要請団に梅田博久本部執行委員が参加―

 人事院は制度発足以来、初のr賃下げ勧告」を行いました。そもそも勧告制度は、労働基本権制約のr代償措置」である以上、労使交渉やストライキに代わって、公務員労働者の生活を守るための役割を持っていたはずです。そればかりか、情勢適応の原則を口実に、4月以降の賃下げ分を遡り精算するというr不利益遡及」は重大な問題であり、民間にも例がない脱法行為であります。日本の公務員制度の不当性と国際基準からも逸脱するrマイナス人勧」。このような日本政府の不当、違法な行為をlLO結社の自由委員会に対して訴えて参りました。


4面の記事
☆自治労連・大阪市労組は2003年春闘に向けての
要求アンケート運動を展開しています
   職場のみなさん ぜひご協力ください

 いま、不況の悪循環を断ち切るために、全ての働く人の暮らしを支える賃金を底上げ」することと、将来の生活不安を取り除く「解雇の規制・雇用の確保」と年金や医療費などの社会保障を充実させることがどうしても必要と考えます。わたしたちは、働くものの暮らしと雇用・健康を守る大運動をすすめる「2003年の春闘」に向かって、今からそのたたかいをはじめたいと思います。まず、みんなの要求を出し合い、「共同の力」を集める運動として、この「働くみんなの要求アンケート」を進めています。全ての働く仲間のみなさんがこのアンケートに参加してくださるようお願いします。

アンケート用紙(省略)


☆「大阪再生と市民・労働運動の役割とは 
〜中之島景観保存運動から何を学ぶか〜
チラシ
11月28日(木)6:30pm〜 
大阪市中央公会堂3階中会議室

昇任昇格差別裁判勝利和解5周年記念集会





機関紙のページにもどる

トップにもどる