2002年夏期一時金闘争における市側回答に対する市労組連の態度
2002年夏期一時金闘争における市側回答に対する市労組連の態度

2002年6月14日・大阪市労働組合総連合


1.2002年夏期一時金闘争は、小泉自公保政権による医療制度改悪やアメリカの戦争に協力するための有事法制の策動など、極めて緊迫した情勢の中で闘われました。
大企業の利益を最優先させ、労働者・国民に犠牲と負担を押しつける典型的な自民党型の小泉政治によって、中小企業を倒産に追い込む不良債権処理が強行され、最悪の失業率と企業倒産、個人消費の連続後退など、日本経済がかつてない深刻な状態がすすみました。また、春闘期における政府・人事院の態度は「人事院勧告制度尊重」「民間準拠」という従来の態度にとどまり、「ベアゼロ・賃金引き下げ」政策が貫徹された春闘結果からも、4年連続の賃金引き下げ勧告にととまらず、マイナス勧告も考えられる極めて危険な事態となっています。このような攻撃のもと公務員労働者の生活・健康・仕事のすべてにわたって状態悪化がすすんでいるもとでのたたかいでした。
  大阪市においても、3年連続して一時金が0.3月、0.2月、0.05月と削減されるとともに、2年続きの給料表改定の見送り、さらには社会保険料の負担増などきびしさを増す生活状況のもとで、市労組連は一時金闘争の正当性を明らかにしつつ、2002年夏期一時金闘争・夏季闘争に全力をあげてとりくむとともに、引き続く人事院勧告期闘争・自治体確定期闘争へと大きく発展させていくたたかいとしてとりくみを強めてきました。

2.市労組連は、5月9日に開催した第13回定期大会において、本年の夏期一時金闘争についての方針を決定するとともに、加盟各単組は、夏季手当要求について「支給額2.7ケ月+40,000円」「支給日6月28日」とし、5月30日までを基準日として各任命権者に対して要求申し入れを行ってきました。その後、6月4日に第1回対市団交を行ない、その中で当局姿勢の追及とあわせて「子どもの看護休暇や夏季休暇の問題も含めて誠意ある回答」を求めてきました。また、こうした対市交渉の強化とあわせて、6月7日には「2002年夏期一時金闘争勝利・市労組連総決起集会」、6月12日には「市労組連単組役員決起集会」をそれぞれ開催してきました。

3.今季、夏期一時金闘争の山場である6月14日には、市労組連として市側に対して交渉・折衝をはじめ多様なとりくみを展開してきましたが、その結果、14日午後5時からの第2回対市団体交渉で市側から「期末手当1.45月分、勤勉手当0.6月分」、支給日については「6月28日支給」との回答が行われてきました。
  この市側回答に対して、市労組連からは「申し入れている要求内容や組合員の生活実態から、大きく隔たったものであり、きわめて不満であること」と表明するとともに、「青年層の強い要求であり、適用される給料表による格差が職場で顕在化していることも指摘し、撤回すべきであると強く申し入れてきた『職務段階別加算制度』について、市側から一切表明がなされず、引き続き導入していく構えだと思われるが、市労組連としては合意出来ないこと」ことを明らかにしました。
また、再任用職員の一時金は、「期末手当0.7月分、勤勉手当0.3月分」との内容について、これまでの交渉経過を踏まえたものとして確認しました。
  さらに、夏季休暇については、昨年どおり「5日付与する」との市側回答が示されるとともに、再任用職員の夏季休暇ついて、フルタイム勤務職員が「5日の特別休暇」、短時間勤務職員は「週あたりの所定の勤務日数に応じて付与する」との回答がされました。
  次に、子どもの看護休暇については、「本年7月1日より国に準じ5日間の特別休暇として新設」するとの回答が示されました。市労組連は、この間の折衝・交渉の中で「職場の厳しい実態をにらんで、より実効ある職場環境の整備が必要」との指摘を行ない、具体化に向けた市側の努力を要請してきました。今回の回答が職場の要求に一定応えたものとして評価するとともに、@子の範囲を、「小学校就学の始期に達するまで」となっているのを、「小学校終了まで」とすること。 A「単年度に5日以内」となっているのを、「1子につき単年度5日以内」とすること。 B取得単位について、半日単位の運用を可能とすること。(年休と同様の方式) C臨時的任用職員・非常勤職員にも適用すること。 D取得手続について、医師の診断書等の提出は、原則として要しないことを徹底すること。などの5項目改善要求を市側に行なってきました。

  市労組連は、この間の交渉・折衝経過も踏まえて「提示された市側の回答については持ちかえることとし、後ほど、改めて市労組連としての態度を表明することとしたい」としてきました。

4.今季夏期一時金闘争は、政府・財界の「六大改革」路線にもとづく公務解体攻撃、総務省・大阪市を通じた国公準拠・人勧固執政策と真っ向から対決するたたかいとして、職場を基礎に市労組連対市闘争・政令都市における統一闘争と公務労組連絡会を通じた対政府闘争を結合した、たたかいの前進が求められていることを明らかにしました。また、今日、恒久条例化のもとで全国的にも一時金闘争が形骸化する状況がすすんでいますが、市労組連として一段ととりくみを強めなければなりません。
  小泉内閣による「構造改革」路線の強行により、企業倒産とリストラの嵐が吹き荒れ、不況がいっそう深刻な事態になり、失業者もさらに増加することは明らかです。また「公務員制度改革」による公務員への差別・分断攻撃、悪政の推進者としての公務員づくりの攻撃がいよいよ本格化しようとしています。
  労働者全体の生活悪化・状態悪化がいっそう進行し、国民の将来への不安がつのる状況のなかで、全労連の一致する要求にもとづく広大な共同の実現をめざすとりくみの積極的な推進が何よりも求められており、大阪市においても市労組連の果たす役割がますます重要となってきています。市労組連としてはこの点を改めて確認し、なお、強い不満が残るものの今季闘争については終結することとし、市側回答については各単組討議に付すこととします。 

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