2003年夏期一時金闘争における市側回答に対する市労組連の態度
2003年夏期一時金闘争における市側回答に対する市労組連の態度

2003年6月16日・大阪市労働組合総連合


1.2003年夏季闘争は、小泉自公保政権による国民生活破壊と経済破綻政策の強まりの中でたたかわれました。とりわけ、アメリカのイラクへの軍事攻撃を支援した上に、永年の日米支配層の念願であった有事法案を民主党などの野党もとりこんで成立させるという、極めて緊迫した情勢の中で闘われました。
 大企業の利益を最優先させ、労働者・国民に犠牲と負担を押しつける典型的な自民党型の小泉政治によって、中小企業を倒産に追い込む不良債権処理が強行されてきました。同時にりそな銀行の事実上の国有化に象徴されるような、「金融再編」が強引にすすめられています。その結果最悪の失業率と企業倒産、個人消費の連続後退など、日本経済の基盤そのものを掘り崩しかつてない深刻な状況に陥っています。また、春闘期における政府の姿勢はILO勧告など国際的批判をよそに「公務員制度改革」「成果主義賃金の導入」を強引にすすめ、人勧制度そのものを形骸化する動きが強まっています。さらに、連続したマイナス勧告も予測されるという状況です。このように、労働者・国民の生活・健康・仕事のすべてにわたって危機的状態がすすんでいるもとでのたたかいでした。
 大阪市においても、4年連続して一時金が0.3月、0.2月、0.05月、0.05月と削減されるとともに、賃金の3%カットと昇給延伸を2年続きの給料表改定の見送りの上に重ね、さらには医療費の本人3割負担への引き上げなどの負担増などきびしさを増す生活状況のもとで、市労組連は一時金闘争の正当性を明らかにしつつ、2003年夏期一時金闘争・夏季闘争に全力をあげてとりくむとともに、引き続く人事院勧告期闘争・自治体確定期闘争へと大きく発展させていくたたかいとしてとりくみを強めてきました。

2.市労組連は、5月12日に開催した第14回定期大会において、本年の夏季闘争についての方針を決定するとともに、加盟各単組は、夏季手当要求について「支給額2.7ケ月+40,000円」「支給日6月30日」とし、5月30日までを基準日として各任命権者に対して要求申し入れを行ってきました。その後、6月10日に第1回対市団交を行ない、その中で当局姿勢の追及とあわせて「夏季休暇の問題も含めて誠意ある回答」を求めてきました。また、こうした対市交渉の強化とあわせて、6月4日には「2003年夏季闘争勝利・市労組連総決起集会」と宣伝行動、6月10日には「市労組連単組役員決起集会」をそれぞれ開催してきました。

3.今季、夏季闘争の山場である6月16日には、市労組連として市側に対して交渉・折衝をはじめ多様なとりくみを展開してきましたが、その結果、16日午後5時20分からの第2回対市団体交渉で市側から「期末手当1.45月分、勤勉手当0.6月分、合計2.05月分」、支給日については「6月30日支給」との回答が示されました。
 この市側回答に対して、市労組連からは「申し入れている要求内容や組合員の生活実態から、大きく隔たったものであり、不満であること」と表明するとともに、「青年層や技能労務職給料表適用者からの強い要求であり、撤回し一律に支給すべきであると強く申し入れてきた『職務段階別加算制度』については、市側からなんら表明がないことから、引き続き残されることになると思われるが、市労組連としては合意出来ない」ことを明らかにしました。
 また、再任用職員の一時金は、「期末手当0.7月分、勤勉手当0.3月分」との回答が示されました。
 さらに、夏季休暇については、昨年どおり「5日付与する」との市側回答が示されるとともに、再任用職員の夏季休暇について、フルタイム勤務職員が「5日の特別休暇」、短時間勤務職員は「週あたりの所定の勤務日数に応じて付与する」との回答が示されました。
 市労組連は、この間の交渉・折衝経過も踏まえて「提示された市側の回答については持ちかえることとし、後ほど、改めて市労組連としての態度を表明することとしたい」としてきました。

4.市労組連は、職場における業務繁忙や人員削減によって引き起こされている健康問題やサービス残業問題の改善を訴えるとともに、生活改善に結びつく夏期一時金の獲得をめざして、すべての教・職員にとりくみ参加をよびかけ対市闘争をすすめてきました。また、今日、恒久条例化のもとで全国的にも一時金闘争が形骸化する状況がすすんでいますが、市労組連として引き続きとりくみを強めなければなりません。
 今後、小泉内閣による「構造改革」路線の強行、有事関連法案の成立を受け、まさに憲法違反の「イラク支援法案」の成立策動など政治反動がいっそう強まると同時に、企業倒産とリストラの嵐が吹き荒れ、不況がさらに深刻化する事態となり、失業者もさらに増加など、日本経済がさらに深淵に落ち込むことが懸念される状況です。また「公務員制度改革」による公務員への差別・分断攻撃、悪政の推進者としての公務員づくりの攻撃がいよいよ本格化しようとしています。
 労働者全体の生活悪化・状態悪化がいっそう進行し、国民の将来への不安がつのる状況のなかで、国民生活を守る闘いと平和と民主主義を守る闘いを結合し、一致する要求にもとづく広大な共同の実現をめざすとりくみが何よりも求められており、大阪市においても市労組連が果たす役割がますます重要となっています。市労組連はこの点を改めて確認し、なお、強い不満が残るものの今季闘争については終結することとし、市側回答については各単組討議に付すこととします。

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