大阪市長選挙の結果について
大阪市長選挙の結果について

2003年12月1日
大阪市役所労働組合


 市労組組合員のみなさん、大阪市長選挙闘争勝利のため日夜奮闘いただいたことに心から敬意を表します。市長選挙は残念な結果になりましたが、渡辺たける候補は、前回選挙とほぼ同じ195,682(前回203,599票)、29.5%(同30.7%)を獲得し、善戦、健闘しました。
 一方、当選した関淳一候補は、前回より65,000票、得票率で10ポイント近く後退させました。これは、市長選単独選挙になった1971年以来の得票数、率ともに2番目に低いものとなりました。関氏は、当選したとは言え、全有権者のわずか18%すぎない支持を得たに過ぎません。現市政はこの市民の審判を厳粛にうけとめるべきです。
 私たちは9月5日の渡辺候補の出馬表明以来、大阪市長選挙闘争に本格的にとりくんできました。今回の市長選挙闘争のとりくみと結果は、市労組運動の飛躍と前進にとって大きな教訓を与えています。11月14日の「大阪市に働く教・職員のつどい」で、「歴史的な意義をもつ闘いに意気高く挑戦し、全組合員総決起で遅れを取り戻し、対話目標を早期に達成する」ことを確認しました。また、11月19日の「大阪市をよくする会緊急地域・団体活動者会議」で最終盤を闘う意思統一を行いました。その後の市労組組合員の奮闘で、投票日直前に西淀川区役所支部、生野区役所支部、北大阪支部が目標を達成しましたが、全体として宣伝活動や対話活動の奮闘が具体的成果には及ばず、目標達成には至りませんでした。
 このたたかいで大阪自治労連各単組からは、かつてなく厳しい2003年賃金確定期のなかにもかかわらず、490人に及ぶ支援を得、自治労連政令都市職部会からの激励とあわせ、産別自治労連の連帯の力をあらためて確認することになりました。
 今回の市長選挙では、従来の「大阪市をよくする会」に結集してたたかうだけでなく、渡辺候補当選のために昼夜を分かたず奮闘された「よみがえれ大阪・市民のための大阪市をつくる勝手連」(市民勝手連)にも「大阪市退職者会・OB勝手連」が結成・参加され、もてる力をいかんなく発揮されました。大阪市長選挙史上初の「市民勝手連」との共同する新しいたたかいは、今後の街づくりや市政を変える運動にとって大きな財産をつくるものとして確信するものです。
 市民の税金をムダな巨大開発に使い続ける「後継助役」か、「雇用・経済の活性化と文化と歴史息づく街づくりでくらし応援」の大阪市をつくるのかが大きな争点となりました。渡辺たける候補の「大阪市民の自信と元気をとりもどす訴え」と政策は、長期不況のもとで苦しむ市民の心をとらえ、かつてない心からの共感と支持を表明する反応が、多く寄せられました。
 さらに福祉・医療・教育など市民の生活向上をないがしろにし、市民にとって必要性の少ないムダな巨大開発の赤字穴埋めに莫大な税金を何度も投入する市行政に対する批判は、市民はもとより、市役所で働く人々のなかにも沸き起こっています。こうした確実な変化を大きな地殻変動にすることができませんでした。
 市労組として目標を達成できなかった要因を深く分析し、日常活動のあり方や主体的力量の構築など教訓を明らかにし、4年後の市長選挙での勝利と市民要求、市役所労働者の要求実現をめざし、今回の市長選挙闘争の総括をしっかりと行います。そのために全組合員参加で市長選総括運動をすすめます。
 当選した関氏が、12月1日の毎日新聞のインタビューに「単なる年功序列ではだめだ。評価の仕方をきちんと考えたい」と述べ、市職員に能力や成果に応じた賃金体系を導入する見解を明らかにしました。このことからも市民や市職員との矛盾が一層広がることが考えられます。ひきつづき、歪められた市政を市民が主人公の市政に変えたいと願う多くの市民とともに、私たちの要求や「大阪市をよくする会」がかかげた政策を実現するために決意を新たに奮闘するものです。

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