第252号 2001年11月15日付


    機関紙「大阪市労組」に掲載した記事を紹介します

1面の記事
☆告知板
   11/17 近畿医療改悪反対決起集会
   11/21 全労連全国統一行動
   11/21 市労組連秋季年末闘争勝利単組役員集会
   11/22 テロ糾弾など一日共闘集会
   11/25 岸和田市長選挙投票日
   11/26 大阪労連・春闘討論集会
   11/28 「働くルール署名」一斉行動
   11/29 いきいき文化セミナー2001
   12/1  第9回市民のつどい


☆2001年秋季年末闘争 ヤマ場(11/21〜22)
 
庁内世論をひろげ 前進を勝ち取ろう
大阪市労組連決起集会(本庁南側公園)
年末一時金・賃金確定・職場要求実現へダッシュ

 2001年賃金確定・年末一時金・職場要求のとりくみは11月21日〜22日にかけて最大のヤマ場を向かえます。給料表の改定見送り、一時金の連続削減という人事院勧告に追随した大阪市人事委員会報告・勧告は、組合員をはじめ大阪市に働くすべての職員の生活実態を無視したものです。
 市労組・市労組連は11月7日に1回目の決起集会を、13日に第3回団体交渉を、15日に2回目の決起集会をおこなって来ました。引き続き、11月21日に第4回団体交渉、同じく21日に単組役員決起集会、22日には「市労組秋季年末闘争委員会」を連続的、精力的にとりくんでいくこととしています。
 なお、おもな他都市の賃金確定のヤマ場については、名古屋が20〜21日、横浜・広島・北九州が21日、東京・福岡が22日、京都が30日などとなっています。

秋季年末闘争の前進に向け総決起集会開催

「大阪市の保育配置基準見直し反対です」と訴える竹村さん 11月7日に本庁南側公園で開かれた「秋季年末闘争勝利市労組連総決起集会」では、市労組連書記長の中山直和さん(大阪市労組)が基調報告をし、「庁内世論を広げ前進を勝ち取る」意思統一をおこないました。
 決意表明をした3人の内、市労組から発言した竹村博子さんは、「10月の大阪市の保育所における保育士の配置基準の見直し提案は、狭い保育室に子どもたちを詰め込み、1人で20人を見させるというひどいもの。今の配置基準は30年前に先輩達が子どもの健やかな育ちと保育士の健康を守るため勝ち取ったものだ。こうした歴史を無視した今回の提案は、保育の低下につながるばかりか、労働条件の大幅悪化だ。支部は断固反対し、保育士を増やして保育所の新設・増改築をおこない、真に待機児解消をするよう要求し、果敢にたたかっている」と語気を強め、集会参加者から盛んな激励を受けていました。集会は、市労組連副委員長の成瀬明彦さん(市労組委員長)の団結ガンバロー三唱で閉会しました。

☆職場から地域とともに秋季年末闘争に勝利しよう
       2001年11月1日 自治労連政令都市職部会委員長共同アピール


 私たちは日本国憲法を遵守し、住民福祉の向上のために働くことを誓い自治体労働者となりました。しかし今、私たちの働きがいと誇りとが奪われようとしています。
 私たちは「住民の幸せなくして自治体労働者の幸せはつくれない」ことから、職場で、地域で、秋季年末闘争に全力をあげて奮闘することを訴えます。
  
 9月11日にアメリカで発生した同時多発テロは、多くの市民の生命と財産とを奪う、許しがたい暴挙です。と同時にアメリカ合衆国を中心とした報復戦争も市民の生活を脅かし、テロの根絶にはつながらないもので断じて認めることはできません。ところが自衛隊の海外派兵を狙う小泉首相はいち早く報復戦争を支持し憲法違反の「テロ対策特別措置法」などを強引に成立させ自衛隊の海外派兵を行おうとしています。自治体も「戦争協力法」によって戦争体制に巻き込まれる危険性があります。
 私たち自治体労働者は兵役として召集する「赤紙」をふたたび配らないために平和を追求してきました。自治体労働者はもちろん住民の生命や財産を守るためにも自衛隊の海外派兵を許さず、戦争協力体制を構築させない闘いを強化するとともに国際人権憲章に基づく戦争協力拒否権を職場から確立するため奮闘しましよう。
  
 人事委員会勧告はすべての都市で「俸給表改定を行なわず、3年連続で一時金を削減」し、「人事管理強化」に踏み込むものとなりました。この勧告は「一時金の削減は生活を直撃する」「官民の賃金抑制の悪循環を断ち切り不況を打開したい」「住民生活を守りたい」という私たちの願いに反しています。さらに人事院勧告を踏襲し、国や都道府県の方針に屈服した人事委員会の姿勢は自ら「第三者機関」としての立場を放棄しただけでなく当局の代弁者そのものであり憲法の保障する労働基本権の代替機関として機能していません。また、政府は時の政権に公務員を追随させるための「公務員制度改悪」を進めようとしています。
 私たち自治体労働者は主人公である住民生活を守るため安心して働き続けられる労働条件と職場の民主化実現を追求してきました。私たちは、住民奉仕に専念できる賃金改善や民主的な公務員制度の政策を確立するとともに、すべての職場で働くルールの確立のため奮闘しましよう。
  
 今、公務員批判がマスコミなどを使って行なわれています。私たちは悪政のもとでも自治体労働者として住民の課題の解決に向けて日夜奮闘しています。しかし、9月末から新聞報道された自治労の「裏金」「使途不明金」は自治体労働者・労働組合に対する信頼を大きく損ねるものです。私たちは、自治労時代から特定政党支持に現れる組合費の使い方を批判してきました。今回の自治労の不正経理事件は、私たち自治労連とは組織が違いますから自治労自身の責任において真相を解明すべきですが、同じ自治体労働者として自治体労働者・労働組合への不信を一掃し、名誉を回復するためにも徹底的な解明と責任の所在を明らかにするよう強く求めます。自治労連は改めて労働組合の三原則「資本・当局からの独立」「政党からの独立」「要求に基づく統一運動の構築」を堅持し、組合民主主義と財政民主主義を貫き透明な組合運動を行っていきます。
  
 自治労連は先の大会で「一自治体一共同行動」を提起しました。すでに各政令都市では地域の住民や団体と共同・協力の取り組みを進めてきています。自治労連に結集する労働組合が築きあげてきた共闘は住民の自治と福祉を推進する自治体本来の役割を担う民主的自治体建設に大きな力を発揮してきました。引き続きこれまでの運動と要求に確信を持ち、地域住民とともに職場から旺盛に運動を推進することを訴えます。

  自治労連都職労委員長 桑江常彦
  自治労連特区連委員長 桑原昭俊 
  東水労委員長 小林光男
  横浜市従委員長 前田辰男
  名古屋市職労委員長 大黒作治
  名古屋水道労組委員長 山本雅之
  名古屋港職労組委員長 真野善好
  京都市職労委員長 池田 豊 
  大阪市労組委員長 成瀬明彦
  広島市職労委員長 本田竹邦 
  北九州市職労委員長 堀田和夫

☆コラム「中之島」
▼かつて、この国には重心の低い老人がいた。若者が思慮浅く血気にはやると、「うろたえるな」と戒めたものである。友人の家が卑劣な賊に襲われたので敵討ちに助太刀したいと血眼になったならば、ことの本質を見極めずに軽挙妄動するなと叱責したはずである▼かつて、この国には足元を見つめている母親がいた。熱くなった子が「よその家の子も皆やるんだ」と言ったならば、「それならよその子になれ」と一蹴したものだ▼今、この国が選択している「テロ対策特措法」の道は、「国際テロの傍観者ではいられない」という思い入れによる責任意識は百歩譲って善意に発していると解しよう▼だが、国際社会は冷厳である▼「御しやすく、都合のよい国」として日本を巧みに利用する存在、そして予期しえない敵意を日本にぶつける存在に当惑することになるであろう▼本当に求められていることがテロリズム撲滅への国際協力であるならば、「武力をもって紛争の解決手段としない」ことを憲法に掲げる日本がすべきことはテロリスト捕縛の警察官の助手ではなく、テロを生まぬ国際環境づくりに行動することである。例えば武器輸出の規制や国際刑事訴訟システムの整備など、なすべきことは多い▼いら立ちの中で「平和的手段では問題は解決しない」という方向に国民意識を変質させている人たちの責任は重い。歴史に恥じない正気が問われている。


2〜3面の記事
 ―特集―
ふえるばかりの失業率(近畿の失業率6.6%に)
 へらない過労死・サービス残業

「働く」ことで、今すぐできる (大阪市労組) 3つの提案

1・日本に「働くルール」をつくろう
  くらし・雇用を守るためいますぐできます!


 「働くルール」とは
 ドイツは、500人以上の事業所では30人以上、(60〜500人では10%か25人)の労働者を解雇することを法律で規制、フランスやイタリアでも同様の法律で規制しています。日本でもこうした法律をつくることや、パート労働者の時給引き上げ、正社員との均等待遇などの「働くルール」の確立が早急に必要です。
 
● 「働くルール」確立へ、3つの提案

1.解雇を規制し、失業させない

 雇用・失業問題の最も確実な解決策は、まず失業者を出さないこと。裁判でも確立している「整理解雇の4要件」をふまえた「解雇規制法」の制定が必要です。

2.雇用保険を拡充し、生活を守る

 失業給付期間を当分の間90日間延長すること。この他、高校生を抱える失業者に、授業料の免除や就学援助金を支給するなど制度の改善は可能です。

3.新たな雇用の創出をはかる

 サービス残業をなくすだけで90万人の雇用が増やせます。介護・医療、30人学級実現、消防、保育など不足している人材を確保するには60万人以上の雇用拡大が必要です。

● 地方自治体も賃金保障に責任を

 自治体が発注する仕事は「最賃保障価格(リビング・ウェイジ)」で
 リビング・ウェイジは自治体と契約関係にある企業・事業所の従業員に最低賃金よりも高い一定の賃金(ウェイジ)の支払いを義務づけるもの。50を越す自治体で制定されています。ILO第94号条約(日本は未批准)でも地域の平均的な労働条件を引き下げる契約をしてはダメと定めています。
 最低賃金の水準を保障する契約料金が必要で、ILO条約の批准が求められています。

2・労働時間(残業・休日出勤)チェックを実施します

  サービス残業の根絶と労働時間の短縮にむけて (11月試行、12月から6ケ月間実施)

 厚生労働省は今年4月に全国の労働局長に通達で、労働時間管理は使用者の責任であることを明確にし、司法処分で「通達」の実効性を担保させ、労働者や労働組合の実態調査要求の保証まで具体的に触れています。
 この間、市労組では定期大会や中央委員会で、労働安全に関しての発言が相次ぎ、自治体リストラで、職場の健康破壊がすすんでいる実態が明らかにされています。今回の労働時間(残業・休日出勤)の実態調査で、おおいに論議し、積極的なとりくみを期待します。各自チェックして、市労組の組合役員にお渡しください。

 労働時間(残業・休日出勤)の記録をとろう(記録用紙は市労組本部まで)

3・いま自治労連・大阪市労組は
  要求大アンケート運動を展開しています


 ―職場のみなさん ぜひご協力を―(アンケート用紙は市労組本部まで)
 自治労連・大阪市労組は2002年春闘に向けて、すべての労働者を視野に入れた「総対話と共同」をすすめる「働くみんなの要求大アンケート」運動を展開しています。このアンケート運動は自治体やその関連職場で働く人たちの「くらしと労働」の実態、賃金や社会保障などに対する諸要求を明らかにして、その「声」を要求づくりに反映させ、2002年春闘などでその実現に向けてともに奮闘する目的でおこなっているものです。職場のみなさんのご協力をお願いいたします。なお、ご協力いただいたアンケートは市労組の組合役員にお渡しください。


4面の記事
☆自治労本部の不正経理問題が発覚
  信頼回復のために徹底した真相究明を


 社会的信頼の回復は根本的誤りの克服から
 
  9月30日に新聞報道によって発覚した自治労の不正経理・疑惑の一連の事件。毎日、この問題が報道されない日はありません。自治労本部の関係職員がマスコミなどに内部告発したことから発覚したこの問題は、労働組合の社会的信頼を失墜させ、労働運動に大きな打撃を与えるもので、到底、許すことはできない行為です。 本紙では、こうした事態に対し自治労連中央執行委員会が10月29日に発表した、「社会的信頼の回復は根本的誤りの克服から―自治労の犯罪と腐敗究明の現段階にあたって」の声明を全文掲載します。

自治労の犯罪と腐敗究明の現段階にあたっての自治労連の見解


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