第262号 2002年5月1日号
有事法制反対特集号


    機関紙「大阪市労組」に掲載した記事を紹介します

1面の記事
☆告知板
  5/1  第73回メーデー
  5/3  おおさか憲法まつり
  5/9  市労組連第13回定期大会
  5/10 大阪自治労連第40回中央委員会
  5/10 自治研活動交流集会
  5/11 自治体リストラ交流集会(〜12)
  5/14 市対連「大阪市の財政分析」連続講座A
  5/16 日本自治労連第24回中央委員会(〜17)
  5/16 大阪市研究会第89回例会
  5/20 有事法制反対5・20関西集会

☆自治体と住民を戦争にまきこむ有事法制反対!!
アメリカの戦争に自治体と国民を
強制動員する有事法制を阻止しょう

 小泉内閣は、国民の強い反対にもかかわらず、4月17日、有事法制関連3法案(武力攻撃事態の対処法案、自衛隊行動を自由化する関連法案、安全保障会議設置の改正法案)を国会に提出。連休明けから審議入りし、今国会で成立させ、その後2年間ですべての関連法案をつくるとしています。 これは、日本を現実に「戦争する国」に変えようとするものです。
 この有事法制が発動されれば、自治体職員や民間労働者、国民まで、戦争体制の中に組み込まれてしまいます。
 大阪市労組は、こうした、憲法を蹂躙し、平和と民主主義を脅かす有事法制に断固反対し、たたかいの先頭にたつ決意を込めて、5月1日付けで、成瀬明彦執行委員長が、大阪市役所に働くすべての職員のみなさん、すべての労働組合役員のみなさんに訴えかけるアピールを発表しました。

アメリカの戦争に自治体と国民を強制動員する有事法制を阻止しょう


☆コラム「中之島」
▼「不当な差別や虐待など人権侵害に対応するため」などとして、実際には国民の知る権利を奪う危険な人権擁護法案が4月8日、参議院法務委員会で審議が始まった▼報道・取材の自由に対する規制・侵害になるとマスコミはとりあげ、法曹界も政府からの独立性等を問題にし、論議が公になりだした▼民主・社民は政府案に対抗し法案大綱をまとめた。両者に共通する基本的な問題点は、法律に人権侵害等の禁止や国民の責務を条文化し、人権の擁護を国民に義務化して強制することにある▼これは、憲法が国家に対する国民の権利を擁護し権力による侵害を許さない立場を明記しているにもかかわらず、これに反し、「解同」が主張する「差別禁止法」の内容を盛り込ませ、国民相互間に国家を直接介入させ管理統制の強化に道を開くものである。国家が権力の横暴を監視し人権侵害をさせないための憲法であり法律であるものが、本末転倒もはなはだしい▼いま有事法制案が、戦前の社会のように、個人情報を管理し、私生活・思想信条まで干渉すべく国民の権利を大幅に制限しようと提案されているもとで、政府はなぜ同法案を5月中に可決させ、来年の夏には人権委員会を発足させると急ぐのか、うかうかしていたら国民の基本的人権が根底から破壊されそうな事態にある。


2〜3面の記事
※この特集記事は自治労連(日本自治体労働組合総連合)【緊急!!有事法制学習版】より、転載しています。

☆いまこそ憲法9条を生かして
     世界の平和に貢献を

有事法制は、アメリカの戦争に
自治体と国民を強制動員するもの


 小泉内閣は、国民の強い反対にもかかわらず、4月17日、有事関連3法案(「武力攻撃事態の対処法案」、「安全保障会議設置の改正案」、「自衛隊行動を自由化する関連法案」)を国会に提出し、今国会で成立させ、その後2年間ですべての関連法案をつくるとしています。
 これは、日本を現実的に「戦争する国」に変えようとするものです。
 憲法ふみにじる有事法制に断固反対し、職場・地域で早急にとりくみをすすめましょう。

「有事」とは、まさに戦争のこと

 首相が「有事」と宣言すれば、戦争をするため軍事を優先させ、国民の土地や財産、労力などを使用、動員するための法制のことです。そして、戦争協力を拒否すれば犯罪者になり、反戦の運動も盗聴や集会禁止などの制限が懸念されます。 まさに、日本国憲法第9条はもとより、基本的人権も踏みにじるものです。

自治体労働者は戦争の執行者に

 首相に指示権や「代執行」権が付与され、自治体は、有事体制の執行体制に組み込まれます。病院、清掃、港湾などの職員が直接動員される他、憲法に反して住民財産の取りあげなど戦争への強制参加の執行者にさせられます。

アメリカの戦争に日本国民を強制動員させるのがねらい

 日本が武力攻撃される事態について、政府は可能性を否定しています。また、テロや不審船対策は、法と警察力で対処できるものです。有事法制のねらいは、アメリカの戦争に日本が参戦し国を上げて支援するためです。これは、アメリカの副国務大臣のアーミテージ氏の報告にあるようにアメリカの以前からの要求でした。また、自民党・山崎幹事長は「周辺事態」法の段階から有事体制を適用することを認めています。

今こそ憲法第9条を生かして

 今、ブッシュ大統領は「悪の枢軸」発言をし、イラクなどへの武力攻撃の拡大を示唆しています。それだけに日本が有事法制で、「戦争する国」づくりをすることは、戦争のあらたな火種を作るものです。今こそ、憲法第9条の立場で平和外交による世界平和に貢献することが重要です。

【ひと口メモφ(.. )メモ.....】
アメリカが日本に有事体制を求める「アーミテージ報告」
米国防大学国家戦略研究所(INSS)特別報告書(2000年10月)

 「日本が集団的自衛権を禁止していることは、同盟間の協力にとって制約となっている。…そのためには、次のような要素が必要である。…改訂された米日防衛協力のためのガイドラインの誠実な実行。これには有事立法の成立も含まれる。」

武力攻撃の可能性は、想像できない

 日本が大規模な武力攻撃を受ける可能性について、中谷元防衛長官は、「3年から5年の期間では想像できないかもしれない。」(01年5月31日、参議院外交防衛委員会)、78年には当時の福田首相は、「万万万万が一の備えのためだ」と答弁。

有事体制は、米国がアジアで戦争を起こす「周辺事態」から発動へ

 4月3日に自民党の山崎幹事長は「周辺事態が発展して日本有事に波及する場合、周辺事態と防衛出動待機命令の段階がダブルことがある。両者の間にきれいに線を引く方法はない。」(朝日新聞)

知れば知るほど危険いっぱいの有事法制
自治労連の関連記事・署名用紙


4面の記事
☆2002年夏季闘争方針を決定
    市労組第4回中央委員会
たかつガーデンで開かれた市労組第4回中央委員会
 4月24日、第4回中央委員会がたかつガーデンで開かれ夏季闘争方針が確定しました。
 中央委員会は、松澤弘さん(北大阪支部)、小村末広さん(港区役所支部)の両中央委員を議長団に選出し議事に入りました。経過報告では、春闘期のとりくみや4月の昇任人事、予算人員闘争、特勤手当、再雇用問題、保健センターの区役所編入問題などで意見が出されたあと承認されました。
 議案では、第73回大阪メーデーのとりくみに続き、当面する夏季闘争のとりくみについてが提案されました。
この間小泉「構造改革」路線のもと経済はさらに悪化し、大企業のリストラの横行や医療制度の大改悪、有事立法制定策動など、国民には痛みをとおりこし激痛を押し付ける政治がすすめられてきています。
 夏季闘争方針では、市労組は、2002年春闘でかかげた「雇用」「くらし」「いのち」の一刻の猶予もできない緊急要求の実現にとって、小泉内閣の存在こそが最大の障害であり、「政管癒着の疑惑の徹底究明」を求めるとともに、「小泉内閣打倒」をめざし夏季闘争に挑んでいくとし、職場を基礎にしたたたかいの強化、「民主的公務員制度」の実現、労働者・国民のいのちとくらしを守る政治への転換、大阪市リストラ反対、市民本位の行財政改革実現、「能力・業績主義」賃金の導入阻止、市役所労働者の切実な諸要求の実現などをたたかいの基本にとりくみをすすめていくことが提案され確認されました。
 また、有事法制反対に向けたとりくみについての特別報告が行われたあと「憲法と地方自治を破壊し、国民の基本的人権を制限する有事法制に反対し、憲法第9条のもとでの国際貢献を果たすことを求める決議」が採択されました。


☆ケイタイ電話もかけられない!!
青年連鎖学習会第2弾「有事立法ってなに??」

有事立法学習会 市労組が、市役所に働く青年向け講座として行っている青年連鎖学習会の第2弾が、4月23日に行われました。今回のテーマは「ケイタイ電話もかけられない!!有事立法ってなに?」で、自由法曹団大阪支部事務局長の西晃弁護士を講師に招いて開かれました。西弁護士は、「有事法制をめぐる情勢と阻止に向けた課題について」と題して講義を行い、今回の有事法制の持つ問題点・危険性を明らかにし、法案阻止の展望を語りました。
有事法制3法案をめぐる情勢としては、先の4月16日に小泉内閣が閣議決定し、翌17日には国会へ提出。与党は26日に趣旨説明を行い、5月の連休明けからの本格審議入りをめざし、今国会の会期中の成立をめざしています。
 「法案は、武力攻撃事態は、『おそれ』や『予測』の段階もふくまれ、政府の認定次第でどうにでもなる法律だ。武力攻撃事態が『宣言』されれば、『軍』『官』『民』あげての戦争体制に組み込まれ、自治体・民間機関・国民にも責任がもたされる。また全権が内閣総理大臣に集中され、国民生活は破壊され自治体機能も停止してしまう。これほど、真正面から憲法に違反する法律はない。国民主権、基本的人権の抹殺に他ならない」と指摘。
 「法案は、露骨なまでの対米追随だ。日本の多国籍企業化を維持するにはアメリカの武力に頼るほかないとする支配層の判断によるものだ。テロや不審船などの国民の不安に乗じて強行突破を意図している。暴力や戦争では問題は解決しないことは、国民の共通理解になりつつある。国民に、ことの本質を知らせ法案の中身を暴露し、この法案の持つ危険性を明らかにしつくすことが法案阻止の重要な課題だ」と締めくくりました。


☆市労組労働安全衛生講座 そのB
 「労働者の生活習慣病と使用者の健康配慮対策」


 心身ともに健康な生活が営まれるための職場を労働組合としてどうつくっていくのかを考えようと、市労組は、労働安全衛生の基礎的な講座を全労働大阪基準支部の丹野弘さんを講師に招いて3回にわたって開催しました。今回はその3回目です。

使用者の健康配慮義務とは

 今までは生活習慣病は本人の生活のスタイルと関係があり、本人の責任と見られていました。しかし生活習慣病の増加は、メンタルヘルスと同様社会的な背景や労働のあり方の変化と深く関わっています。そして使用者も職場での労働者の安全・健康に一定の作為義務を負っているということが言われるようになっています。
 1972年に労働安全衛生法が制定されました。当初は災害性労災や職業病がほとんどでした。現在では、メンタルへルスや過労死・過労自殺などが次第に増加し、使用者の労働者に対する健康配慮義務の内容も変化。長時間労働や過密性等の加重性自体が問題になってきています。また、精神機能の健康管理も含まれるようになりました。常軌を逸した長時間労働と健康状態の悪化を使用者が知っていた場合、労働者がうつ病などの精神病に罹患し、その結果自殺することもありうることは予見可能で、そのようなことがないように注意すべき義務があるのです。

健康診断の重要性と事後措置

 使用者には、法的にも労働契約上からも労働者の健康配慮義務があります。健康診断により、労働者の健康を把握し、健康保持のために適切な措置をとるなど、健康管理に関する安全配慮義務を負っています。労働者の健康悪化を知った使用者は、更なる悪化を防ぐための高度な注意義務が課せられます。たとえば、高血圧で要治療状態が明らかな労働者に対し、使用者は、高血圧を増悪させ、致命的な合併症が生じることのないように、持続的な精神的緊張をともなう業務に付かせないなどの配慮義務があるのです。
 1996年10月1日、労働省は「健康診断の結果に基づき、事業者が講ずべき措置に関する指針」を出しています。その中で具体的にどのようなことをしないといけないのかが述べられています。しかし、現実は事後措置がまだまだ保健指導だけにとどまり、肝心な長時間労働などの過密労働の回避などがされていないのが現実です。また罰則もなく努力義務にとどまっています。それ以外でも会社が指定した医師にかからないといけないのか、個人のプライバシーとの関係はどうかなどの問題もあり、今後のとりくみも残されています。


☆市労組レーダー
○有事法制を阻止しよう!!
有事法制に反対する大阪連絡会が結成総会


 小泉内閣が有事関連3法案を閣議決定した4月16日、憲法を踏みにじる有事法制を阻止しようと「有事法制に反対する大阪連絡会」の結成総会が大阪グリーン会館で開催されました。
 「有事法制に反対する大阪連絡会」は、安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会、憲法改悪阻止大阪府各界連絡会議、自由法曹団大阪支部、進歩と革新をめざす大阪の会、全大阪労働組合総連合、民主法律協会が呼びかけ結成されました。
 結成総会では、安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会の竹馬稔事務局長が経過説明を行ったあと、藤木邦顕弁護士が武力攻撃事態対処法案などのしくみについて詳しく報告しました。藤木氏は「一種の戒厳令といわざるを得ないもので、アメリカの戦争に国民を動員するものだ。国民の中から世論をつくり、有事法制を許さないたたかいをつくっていこう」と呼びかけました。
 大阪労連の植田保二事務局長が●大量宣伝と署名活動●職場・地域で学習会や小集会の開催●医師会やトラック協会などへの申し入れ●地元国会議員や自治体首長、議長への申し入れ、自治体決議運動●30日の府下いっせい宣伝―などの行動提起を行い、「連絡会の結成で運動を発展させ、法制化を断固阻止しよう」と訴えました。


○まだまだあります!!
 大阪市新規採用職員歓迎企画


●陶芸&バーベキューin舞洲
 日に日に暖かくなり、出かけるのも最高!の季節となりました。
 5月のさわやかな風の中、みんなで創って、食べて、あそんで、楽しく過ごしましょう!!

 日  時  5月19日(日)Am9:00〜
       (JR環状線西九条改札口集合)
 参加費  大阪市役所新採用者は無料
 申込みは、大阪市労組青年部(06-6208-8798)まで

●春闘勝利!!大阪市新入職員歓迎!!大阪市労組ボウリング大会
 2002年春闘勝利と大阪市の新入職員を歓迎した、大阪市労組恒例の第12回ボウリング大会が、今年も、北区・桜橋ボウルで開催されます。
 新入職員のみなさん、組合員のみなさんふるってご参加ください。

 日 時  5月29日(水)
        Pm6:00 受付開始
        Pm6:30 ゲームスタート
 場 所  北区・桜橋ボウル
 申し込み・問い合わせは、大阪市労組文化スポーツ部まで
         tel 06-6208-8798

〇「はたらくルール署名」推進と
  「残業実態調査」のとりくみをひきつづき行なっています


 市労組は「はたらくルール署名」を推進しています。支部単位に一斉宣伝行動の具体化をはかっています。大阪労連市内地区協議会の街頭署名宣伝にも積極的に参加していきます。また、ひきつづき「残業実態調査」を行なっています。調査表を毎月更新して、その都度提出していただきますようお願いします。5年ぶりに「健康アンケート」のとりくみが開始されます。とりくみ方については、別途連絡します。

〇大阪市労組連第13回定期大会
 日 時  5月9日(木)午後1時30分〜
 場 所  たかつガーデンB1「松寿の間」
 議 案  一般経過報告
       2002年度運動方針(案)
       2002年度予算(案)ほか

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