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市民とともにつくる市民版“市政改革マニフェスト”

スタート集会への報告と提案
(2006年6月18日)


はじめに

本日のスタート集会の開催にいたる主な経過は次のとおりです。

1.関市長は任期途中で、市政改革マニフェスト案を発表しました。その本質は、財界と経営コンサルタントによる大阪市役所の民間企業への切り売りのフローチャートです。その後、関市長辞任による市長選挙が急遽行われますが、市民がつくる大阪市政改革ビジョンチーム(大阪自治体問題研究所)によって「やっぱりこれやで市民がつくる大阪市政改革ビジョン」が緊急発刊されました。
その中で提起された永続可能な都市の実現をめざすビジョンの提案を踏まえ、分野別のビジョン作成と住民自治を前進をめざす地域からのビジョン作成の両面のとりくみが求められます。

2.1月12日に局・区長マニフェストが発表され、トモノス・児童館の3月末廃止などを含む市民サービス切り捨ての方針が市民の前に明らかになるなかで、施設利用者はもちろんのこと、大阪市対策連絡会・大阪市をよくする会・おおさか市民ネットワークなどの協力と、それに結集する団体の共同したとりくみがつくられました。黙ってられんわ市民のつどい実行委員会として、大阪市への申し入れ・交渉・集会・宣伝など波状的なとりくみが続けられてきました。これまでにない継続性をもってすすめられています。

 本日のスタート集会の意義は、これらの経過をふまえ、さらに市民の方々とともに、持続可能な大阪市政の実現めざすビジョンづくりのスタートを呼びかけるものです。
そして、実行委員会へ市職員・市民・団体・労働組合のみなさんが積極的に参加されることを熱望しています。
市民・団体のとりくみ 大阪市政改革本部の動き







05年11月 市民がつくる大阪市政改革ビジョン(自治体問題研究所)発刊

大阪市をよくする会姫野浄さんを市長候補に選挙戦をたたかう




06年1月24日 大阪市対策連絡会議による運動の交流と運動の発議
黙ってられんわビラ5万枚発行

06年2月14日 大阪市に対する市民運動の強化のための懇談会

06年2月15日 「黙ってられんわ市民のつどい」、パブコメ提出行動 (事前宣伝100名・つどい300名・提出行動50名参加)

06年3月1日  市議会開会日の宣伝 雨天のなか60名参加

06年3月24日 「黙ってられんわ」宣伝・要請行動

06年4月28日 トモノス・児童館存続を求める対策会議

06年5月9日  存続を求める決起集会    いきいきエイジング 100名参加

06年5月18日 存続を求める対市交渉

06年5月22日 請願署名提出行動
宣伝40名 集会 提出行動

06年5月22日 同和行政告発集会
M&Dホール120名、マスコミ多数

06年5月25日 淀屋橋早朝宣伝 35名

06年5月26日 市会運営委員会の傍聴

06年6月7日 運動・交流集会
05年4月1日 市政改革本部を発足都市経営諮問会議は解散。

05年9月27日 市政改革本部「市政改革マニフェスト(案)」を発表。

05年10月 関市長が突然の辞任

05年11月 市長選挙、関市長再選され「選挙で改革マニフェストの信を得た」と表明。

05年12月15日 大阪市として「市政改革マニフェスト(案)」を発表。少しばかりの加筆補正を行った。

06年1月12日 「局長・区長マニフェスト」「市政改革マニフェストにもとづく新たらしい行財政改革計画」を発表。児童館・勤労青少年ホームの廃止などを発表。

06年2月14日 「市政改革マニフェスト」を決定。

06年3月1日 「市政改革推進会議」を発足させ、財界が改革推進の中心に名実とも座る。


06年3月30日 大阪市会、トモノス・児童館廃止条例案を継続審議に

06年4月26日 芦原病院補助金の不正流用の調査報告(調査委員会より)

06年5月 関西経済同友会 「交通局完全民営化を実施せよ」との提言出す

06年5月19日 関市長、同和行政の調査を指示

06年5月26日 トモノス・児童館廃止条例一部修正し、委員会可決

06年5月31日 廃止条例を本会議にて可決大阪ドームの債権放棄を可決

06年6月2日 関市長記者会見、地対財特法の期限後の事業等の調査・監理委員会について

06年6月6日 芦原病院問題、継続審議

1.大阪市職員の「厚遇」問題の意味を改めて考える

04年11月以来、大阪市の「職員厚遇」問題が連日のテレビ・新聞で報道され、市民から大きな批判の声が市役所に集中していた05年1月24日に、奥田日本経団連会長(当時)が「今後、社会保障関連の歳出増大が見込まれる中で、他の歳出の削減を進めようとするならば、国および地方公務員の総人件費削減に手をつけなければならない。特に地方公務員の数や給与の問題について、検討していきたい」(経団連ホームページ)と述べていました。この発言は消費税・所得税の増税や社会保障を切捨て、国民に犠牲を求める前の露払いに大阪市役所問題を利用したということです。

一方市民の暮らしに目を向けると、6月中旬から各区役所の市民税と国民健康保険の窓口には、高齢者を含む多くの市民が殺到しています。市民税では@老年者控除の廃止、A公的年金控除の縮小、B定率減税縮小などの影響により「25年ぶりに納税通知書を受け取った」(都島区)「税額が去年の25倍になった」(住之江区)などと訴え、「市役所の前で首くくったる」(西成区)と悲痛や声があがっています。国民健康保険では毎年、決定通知書の発送とともに市民が殺到するのが常でしたが、保険料の計算方式の改悪による影響から例年をはるかに上回る市民が血相を変えて訪れています。

国や大阪市も、財政危機の根本原因は、大銀行・ゼネコンによる巨大公共事業の推進や、その破たん処理へのさらなる税金投入が最大要因です。これは、多くの市民の知るところでありますが、あまりにも金額が大きすぎるため「理解」の範囲を超え怒りに転化されませんでした。ところが、「背広」や「年金」などは、市民の生活感覚で理解でき、即、怒りに転化されています。

大阪市役所では「市民の怒り」を背景に「市政改革マニフェスト」が出され、「市民の声を代弁」するようなポーズで「改革」をアピールしています。しかし、その本質は財界の意を受けた経営コンサルタントによる大阪市財産の民間企業への切り売り作業でしかありません。


2.「行政改革推進法」「市場化テスト法」の成立

参院本会議で「行政改革推進法案」「市場化テスト法案」など行革関連5法案が5月末に成立しました。国民の安全・安心をおびやかし、格差を拡大し、地方切り捨てを進めるものです。
「行革推進法案」は、地方に対しても行革推進の責務や人員削減を「法律化」によって押し付けるものであって、地方分権推進からみても逆行するものです。

人員削減の手段として、「事業仕分け」という外部評価者も入れた乱暴な方法や、国が決めている消防士、教員、警察官、保育士など、住民生活に密接な職員配置基準を緩和して削減することは到底容認できません。

 「市場化テスト法」は、公務公共業務を民間にゆだねることによって財界のために50兆円ビッグビジネスチャンスを実現するものです。対象業務を決めるのも国民の声を聞くのではなく、営利企業の声を聞く仕組みになっていることに象徴されています。しかも全国横断で業務が委託されるため、大企業の参入に有利なものとなっています。

 また国会審議の中でも、住民票・戸籍の窓口を対象とする問題で、営利企業が住民記録を扱うことによって「住民のプライバシーがあぶない」という指摘がなされました。総務省ですらかつて「公証行為であり、民間開放は困難」と主張していたにもかかわらず、それをくつがえすものです。国民生活の安心をおびやかすものです。

 今後、「行革推進法」に基づき「行政改革」を実施していくためには、個別に法案を提出しなければなりません。これらを具体化する個別法案は、くらしと地域にしわ寄せすることになり、国民の安心・安全をおびやかし、格差を広げ、地方を切り捨てていくものである。また「市場化テスト法」については、今後具体的に地方に持ち込ませないために取り組むことが重要となります。


3.経営コンサルタント(上山信一氏)主導の「市政改革」

大阪市政改革本部は「市政改革マニフェスト(案)」を、2005年9月27日に発表し、市長選挙などいくつかの節目の後、本年2月14日に正式に確定させました。そして、3月1日には「市政改革推進会議」を発足させ、関西財界メンバーが市政改革推進に直接責任を持つ体制を確立させます。この動きの中心に位置しているのが経営コンサルタントを自認する上山信一慶応大学教授です。

(1)市民生活の将来像を何ら語れず、「格差」を拡大する「マニフェスト」、百害あって一利なし

市政改革本部員である上山信一氏が進める「市政改革」は、市民生活の将来像を何ら語れない、単なる経費削減計画でしかありません。

しかも、「財界人と学者からなる『市政改革推進会議』が発足」し、そこに「この一年の改革の成果を整理・報告した」(猪瀬直樹メルマガ2006/3/9、以下、「猪瀬メルマガ」とする。)と誇らしげに語る上山氏にとっては財界人こそが利益を共有するパートナーなのです。

さらに、「大阪市役所の職員の厚遇の構図は、実は日本国政府の国民厚遇の構図と変わらない。前者の場合は、職員がタックス・イーターとなって市民の税金を食べる。後者の場合は、現役世代がタックス・イーターとなり、将来世代の税金を食べる。」(日経メールマガジン、コラム「続・自治体改革の突破口」2005/04/07、以下「コラム」とのみ記述する。)と述べているように、巨大な財政赤字の責任は国民がとるべきだとして、国民にガマンを押し付ける小泉「構造改革」の路線そのものです。

上山氏の主張は、時に国民から「わが意を得た」とされるような部分もあるが、その議論は一貫性がなく、場当たり的です。生活苦に喘ぐ市民の「不満」や「怒り」をリサーチし、それを煽る宣伝計画によって展開しています。

いま、「格差社会」の弊害が叫ばれていますが、その一因は、企業の利益を優先した「リストラ」の横行です。それをマネジメントしたのが他でもない経営コンサルタントです。
こんな「改革」が国民の生活と未来にどんな展望をもたらすのでしょう。百害あって一利もないことは明らかです。

(2)改革のはじまりは、小泉「構造改革」直下型(2004年)

2003年11月の市長選挙で関淳一市長が当選し、その公約であった都市経営諮問会議が、2004年6月に設置され、政府の経済財政諮問会議のメンバーでもある本間正明大阪大学教授が座長に就任します。都市経営諮問会議では、本間氏から「官から民へ」という文書が出されるなど、NPM行革の手法を全面的に取り入れる議論がされ、12月20日には「関市長への提言」が提出されます。提言には、「行政主導で行ってきた福祉施策が市民の自律意識を低下させ、さらなる都市・人の活力の喪失につながるという悪循環をもたらした」と福祉切り捨ての理念があからさまに述べられています。

諮問会議は、月1回程度開催され、7月23日の第2回会議では「既得権益の問題」「労働組合との関係」が議論され、「改革をするには味方がいる。市民を味方にしなければ動かない。情報公開を思い切って進めていかなければならない」、さらに11月30日の第6回会議では、「給与・福利厚生についての見直し」について「大阪市の厳しい財政状況を強く市民に訴えたとしても、まずは給与や福利厚生についての見直しを十分に進めなければ、財政再建に真剣に取り組もうという意思が市民には伝わらず、むしろ市民の不信感をあおる懸念もある。市民の感情に十分に対応できるよう、給与や福利厚生事業への支出などについて直ちに改善・見直しを行うことが必要である。」とされ、その後、市民と公務員との対立を煽るマスコミ報道が過熱します。

(3)経営コンサルタント主導の大阪市改革

@経営コンサルタントの登場による市政改革の推進

2005年に入り、市政改革のリーダーを自認してきた本間氏は大平光代前助役らとの軋轢が表面化し、ドタバタ劇の後に退くことになります。

そして、2005年4月1日に市政改革本部が発足し、それまで、大阪市大の社会人大学院教授や「福利厚生事業等改革委員会」(「厚遇問題」の批判を受け2004年12月に発足)の委員を務めてきた上山信一氏が市政改革本部の本部員として全権をふるう立場に登場します。

上山氏は、「マニフェスト(案)」発表の記者会見において「企業改革のノウハウ、定石をあてはめていった」(読売新聞)と表明しています。上山氏は慶応大学などで教鞭をとる以前は、アメリカ資本の経営コンサルタント会社「マッキンゼー」の共同経営者でしたが、それらの経験がフルに活用されたわけです。

マッキンゼーは「1923年に創業の世界で最も成功している戦略コンサルティング会社」と言われていますが、そのホームページには次のコメントが紹介されています。「マッキンゼーは、営利企業ばかりでなく、公共機関や非営利組織、政府機関などにもコンサルティングを行っています」。

また、マッキンゼーが2004年の一年間に手がけたプロジェクトの内、公共分野は、まだ3%に留まっています。「構造改革」が地方自治体を席捲する今日の日本の状況を、ビジネスチャンスと捉えても不思議ではありません。

A上山構想による「マニフェスト」と「行政評価」、そして市長選挙

市政改革本部は、発足後半年で「マニフェスト」を発表しました。通常、マニフェストとは選挙に際して候補者が出すものですが、大阪市では市長の任期途中で出されました。これについて上山氏は「去年の2月『大阪市役所の改革を手伝ってほしい』と関市長と大平光代助役(当時)から頼まれた。」「市長と話し、すぐに『この人は大阪市のゴルバチョフだ』と確信した。即座に『改革マニフェスト』をつくるよう提案した。」(猪瀬メルマガ)と語っています。

そして、市政改革本部のマニフェスト作業は「マニフェストはピッチャー。行政評価はキャッチャー」であり「補完関係」(「コラム」2004/11/4)だとする上山氏の指導により、経営コンサルタント企業を総動員した行政評価・事業評価がはじまります。

この行政評価の作業は「昼夜敢行の6ヶ月間だった」とのことですが、その作業を経営コンサルメンバーが担ったのです。大阪市では事業評価システムは既に確立し、毎年公表されていましたが、「現場職員と管理部門だけで行政評価をやっていても、戦略性やめりはりは期待できない」と批判する上山本部員の指示によって市職員による評価は「凍結」となり、外部メンバーによる「事業分析」として一切の作業がすすめられます。

また、上山氏はマニフェストをつくるよう提案した理由の一つに「市長の辞任による市長選への準備」をあげています。その見通しのとおり、関市長はマニフェスト発表の直後に「辞任」し、選挙が実施され、関氏が再選されます。

関市長も上山氏も「マニフェストが信任を得た」と胸を張って見せます。しかし、投票率は前回と同じ低水準にとどまり、しかも関候補自身の得票は2年前を9万票も下回り、絶対有権者比でわずか13.5%にしか到らなかったのです。彼らの表明とは裏腹に、マニフェストが市民の信任を得たとは到底言えません。

ところが、関西財界は「関氏の市政改革路線が改めて市民に支持された」(関経連・秋山会長)、「抜本的な改革を不退転の決意と信念を持ってやりとげてほしい」(大阪商工会議所・野村会頭)といった評価や期待の声を真っ先にあげています。
市政改革が誰のための改革なのか、底が見えるひとコマです。

B経営コンサルタント企業による「事業分析」作業

上山氏は、マニフェストを飛行機が運行する場合の「航路」になぞらえます。パイロットが首長であり、レーダーが「行政評価」だとします。そして、外部メンバーによる「行政評価」の作業を極めて重視していますが、これは、改革をすすめるための「現状評価や課題発掘、進捗状況のチェック」などを全て財界を含む外部メンバーですすめるという手始めにしかすぎません。

市政改革本部は「行政評価」を「事業分析」と称していますが、「市政改革マニフェスト(案)」の基礎資料として盛り込まれるとともに、別途「経過報告」もされています。

それによれば、67の主要事業が「経営分析の手法を導入」することによって、分析されています。その手法とは、「事業と経営の実態を数値化」「他都市や民間との比較」「収支と生産性の分析」「経営的視点から課題の抽出」「経営体制の見直し(独立法人化、民営化など)や事業の廃止の可能性も検討」などであり、まさに経営コンサルタントの手法です。

また、分析作業をすすめたパターンを次のように分類しています。
タイプA「改革本部のプロジェクトチ−ムで分析または外部委員の協力を得ヒアリング等で分析」、タイプB「各局が自主的にプロジェクト等を設けて分析」、タイプC「市政改革本部の要請により各局が事業分析・自己点検」(表参照)

タイプCには「各局が事業分析・自己点検」とありますが、該当部局の市職員が分析したと考えるのは間違いのようです。その中の「公園管理」「下水道事業」「営繕」「道路・河川管理」「市街地開発」などには、上山氏が推薦し「随意契約」で分析作業を請け負ったのは「ボイヤンシー」というコンサルタント企業です

実はこのボイヤンシーの経営者は、既に紹介したマッキンゼーの元「研究員」であり、「上山氏からも高い評価を受け、推薦があった」というのです。ちなみにボイヤンシー以外のコンサルタント企業も全て「随意契約」となっています。一事が万事、上山氏お墨付きの「経営コンサルタント」による事業分析となっていることは明らかです。

(表1)事業分析の項目とタイプ
事業の内容
タイプA 4事業 「バス事業」 「環境事業」 「地下鉄」 「学校給食」
タイプB 3事業 「水道事業」 「工業水道」 「市営住宅の整備と管理」
タイプC 27事業 「広聴相談事業」 「人権施策」 「高齢者福祉対策」 「障害者福祉対策」 「児童福祉対策」 「生活保護」 「国民健康保険」 「介護保険」 「ホームレス、あいりん」 「保健衛生事業」 「環境科学研究所」 「市民病院事業」 「弘済院事業」 「公園管理」 「文化集客」 「中小企業等への支援」 「中央卸売市場・南港市場」 「下水道事業」 「営繕」 「道路・河川管理」 「市街地整備」 「廃棄物処分地整備」 「各地域の整備(埋立事業)」 「高等学校」 「幼稚園」 「博物館等施設」
(表2)上山信一氏が推薦したコンサル企業による随意契約の一覧
事業評価の項目 コンサル会社
地下鉄事業、下水道事業、道路・河川管理、市街地整備、公園管理、市営住宅営繕部事業、環境事業、市バス事業 ボイヤンシー(有)
今後の区政のあり方と区役所業務 (株)UFJ総合研究所
職員の給与・特殊勤務手当・人事制度 (株)日本総合研究所
職員アンケート(職員の意識改革のための調査) (財)大阪市都市工業情報
市税の電子化、住民基本台帳関係システム、市民への新しい広報戦略、総合福祉(生活保護5法関係)、電子自治体推進に伴う財務・会計事務、教職員情報システム、学校事務センター財務会計システム、図書館情報システム (株)野村総合研究所
弘済院付属病院の経営改善 アイテック(株)
総合医療センターの経営改善 あずさ監査法人
クリスタ長堀の経済効果 (財)日本経済研究所
フェスティバルゲートの経営改善 (株)シー・ディー・アイ
(株)アズ マネジメント コンサルティング
新大阪用地事業提案協議、東成区役所・まちの活性化について (株)シー・ディー・アイ
住吉区役所・高齢社会における商店街について (株)関西総合研究所

大阪住民のための情報公開センター調べ

(4)単なる経費節減計画=「市政改革マニフェスト」の特徴と問題点

@マニフェストの特徴と問題点

・5000人以上の人員削減目標を掲げ、更に上積みをする
「職員採用をストップし、5年間で5000人(7000人削減・新規採用2000人)を超える職員数を削減」「50歳から早期退職者制度を導入」など大幅な職員削減を打ち出しました。しかし、他都市との職員数比較は、正規職員数を人口で割った単純なもの。どの部署のどこが「過剰」なのか、具体的に何も語っていません。生活保護世帯数に対する職員数は、大阪市は横浜市よりはるかに少ない。
さらに本年3月には財界代表が中心に座った「市政改革推進会議」が発足し、今後5年間の職員削減目標を7000名から、5500人上積みして約1万2500人削減と修正。

・コスト削減だけを目的に民営化・民間委託化・独立行政法人化
事業分析を行った全ての事業を民間企業の儲けの対象に切り売りするものです。
市民に「民営化」で効率が良くなり、コストを削減させ、市民負担が軽くなるかのような幻想を抱かせています。しかし本当のねらいは、公共サービスを営利企業の金儲けの対象にする財界の要望を実現することにあります。「官から民へ」ではなく「官から営利へ」です。

・文化施設の独立法人化、バス・地下鉄の公設民営化
「環境事業、博物館・美術館等の文化施設事業については独立行政法人化を前提とし、また、バス・地下鉄事業については公設民営化を前提として作業を行う」と明記しました。
文化施設について、平山郁夫氏らが「文化芸術の振興には、そもそも市場原理や効率性・採算性とは相容れない。」と批判しましたが、それを受けとめた政府の対応に対して、上山氏は「消極的」と批判しています。

・学校給食の民営化で「食育」が否定される
学校給食事業が「他の政令市に比べて人件費の占める割合が高い」「給食1食あたりのコストは591円となり、他の政令市に比べ割高」といい「給食調理員は05年度末から10年間を目途に退職不補充により概ね400名削減」

Aマニフェストの根本的な問題点と上山氏の言い分

・市民参加を拒否したマニフェスト作成
大阪市民は作成に一切関わっておらず、拒否されました。しかも、その内容は膨大であり、読んだ市民は皆無に等しい。上山氏も「住民にとってのわかりやすさという点では落第点に近い」(猪瀬メルマガ)と自認していますが、もともと市民参加は口だけです。今年に入り「マニフェスト案にもとづく、新しい行財政改革計画案」に対するパブリックコメントが実施され、多くの市民が声を寄せました。ところが、その締め切り日(2月15日)の前日の14日に市政改革マニフェストは案を取って確定されました。まったく市民を馬鹿にしたパブコメであったし、彼らの本音が見えたのです。

・三セク・巨大開発のムダには手をつけず
大阪市の財政危機の原因について、上山氏も「誰の目にも明らかなハコモノ過剰投資」(猪瀬メルマガ)というように、第三セクターや土地信託事業の破たん処理が大阪市財政を圧迫していることは誰の目にも明らかです。
ところが、マニフェストでは、第三セクター破たんについて「見直しを怠ったことから経営が破綻し、その再建に多額の本市負担を余儀なくされるに至った」と認めつつ、「今回の市政改革ではこの現実を直視し、まず『身の丈』にあった市政にしようということを念頭に置いている」として、巨大開発・三セク支援を続けるという根本的なムダを改めず、逆に失政の付けを市民に押し付けることを表明しています。
誰のための改革かこの点でも明らかです。

・住民自治、参加を拒否し、サービス買えない市民を排除
市民を「サービスを買う顧客」とみなし、サービスを買えない市民を排除するものです。毎年、数十万人が利用していますが、会場使用料が無料の児童館・勤労青少年ホームは真っ先に廃止を打ち出しました。
また、地方自治の単位である行政区から、税収の「効率性」を上げるためとして税務職場を引き上げ「市税事務所」をつくるとしています。住民自治の単位としての行政区を根本的に骨向きにする動きです。


4.「常識が通用しないダーティな大阪市政」の根源は「同和行政」、その総決算のために

(1)「同和行政」の歪みの一端に、犯罪捜査の手が

 「マニフェスト」には、昨秋の関市長辞任の理由の一つに、芦原病院への無担保貸付金(130億円)を環境保健局長時代に決裁してきた責任を挙げたのを受け、同病院への焦げ付いた貸付金問題に触れています。これまでタブー視されてきた「同和行政」も「改革」の対象に含んだものとして注目されてきました。大阪市の「同和行政」の歴史的歪みの一端が警察・検察の犯罪捜査として明らかになりつつあります。

 例示すると、@大阪市発注の公共事業を、大阪府同和建設協会(同建協)の加盟業者が独占受注できるよう大阪市が「優遇」していた競争入札妨害事件。

A一民間病院にすぎない芦原病院への無担保貸付金(130億円)の焦げ付きだけではなく、施設改修・医療機器購入だとした補助金が、目的外に流用され、その支出から精算まで、市職員が不正を承知で申請から精算までの書類作成を行い、局長決裁が繰り返されていた公文書偽造、背任、詐欺事件。

 Bヤクザと親密な関係にある部落解放同盟飛鳥支部支部長が、大阪市所有(大阪市開発公社)の駐車場経営の委託を受けた財団法人を使って、その収益を毎年数千万円横領していた事件などです。

長期間、多額の公金が垂れ流され、横領されてきたもので、まさに異常事態です。
しかし、市役所の中では「同和行政では当たり前」「他でも金額は違っても同じようなことがやられている」という会話が交わされ、むしろ、たまたま現時点で担当者となり、罪に問われている職員への同情の声が上がっています。

(2)いまも続く「解同」言いなりの歪んだ行政、その名は「人権」行政

2002年3月末に地域改善対策財政特別措置法が失効し、同和行政は「終結」しました。大阪市でも個人給付は確かに無くなりました。しかし、実際は、「同和」を「人権」に読み替え、一般行政に潜り込ませ継続されてきました。

私たち市労組や大阪の民主勢力は、大阪市との毎年の予算交渉において、繰り返し同和行政を一般行政に潜り込ませ継続している事を告発し終結を求めてきました。にもかかわらず、一向に見直す姿勢を示さなかった大阪市です。ここにきてその問題点が白日のもとに晒されはじめました。

「部落解放同盟」(以下「解同」という)言いなりの「同和行政」の影響は、「法(憲法・地方自治法)に違反して、あんなことが出来るのだから、なんでもあり」という歪んだ風土を行政全体に蔓延させたこと。そして、「解同」言いなりの行政を批判した職員を「差別者」と決め付け、昇任・昇格で徹底して排除・差別することで、自由にものが言えない職場がつくられ、民主主義が破壊されたのです。

(3)何故このようなことが続いたのか?何故いまになって問題になったのか?

何故30年以上もこんな不正が続いたのでしょうか。
まず、「解同」の一部幹部による暴力的行政闘争と「窓口一本化」の押し付けが凄まじかったこと、そして、それに屈服した行政という構図です。部落解放同盟は運動団体として大阪市との交渉を毎年行っていますが、そこには市長・助役を含めたトップが出席します。他の団体では考えられない特別扱いです。しかも、「差別のある限り行政は続ける」と約束してきました。また、マスコミにも責任があります。これまで、どんな無法行為が「部落解放」の名で行われようと、タブー視して報道してこなかったのはマスコミ自身です。

 さらに、根本的な問題は、権力者による「政治利用」です。もともと、部落差別は封建社会の身分制度を維持するために、時の権力者によって創られ、「分断支配」のために積極的に維持されてきました。

 戦後、日本国憲法制定により差別撤廃の条件が広がり部落解放運動の機運も高揚したが、同時に運動の中に「部落排外主義」「反共分裂主義」の潮流が急速に台頭します。当時、大阪では社会党と共産党の革新共闘の力によって革新府政実現が実現していましたが、権力者は革新共闘の「分断」のために、「解同」の誤った運動を容認し利用したのです。

 次に、大阪市の「同和行政」の根の深さを知る人たちから「何故いまになって、このように問題が表面化するのか?」という質問が寄せられています。
それは、新自由主義にもとづく「構造改革」、経営コンサルタントによる「市政改革」にとって、「同和行政」ほど酷いムダと浪費はないということ。このムダと浪費の清算なくして「市場化」できないのです。大阪市を切り売りするときにヤクザや利権集団が潜り込んでいると売り物の価値が下がるということでしょう。

さらに、ここにきて新たな「政治利用」が始まりました。それは、財政危機の根本原因である大銀行・ゼネコンによる巨大公共事業に比べ、「同和利権」は、小中学校・住宅など身近な公共事業を食い物となり同建協加盟の中小土建業者が登場するし、その額も市民の生活感覚でまだ理解の及ぶ範囲であり、市民の怒りはここで留まります。

いま、同和行政に巣食う「談合事件」が暴かれ、不正が正されることは当然のことであすが、スーパーゼネコンや大銀行の巨大な不正のカモフラージュに再利用されてはなりません。

(4)「人権」の名による思想統制、人権啓発・研修こそ止めさせよう

「同和」から「人権」に名を変えて続く「啓発」「研修」、そして教育の場での「同和教育」、これらを正すべき課題とはなっていません。しかし、マスコミで報道されているような「同和行政」の歪みを支えている思想的基盤は「啓発」「研修」「教育」で押し付けられている内容そのものであり、批判者への抑圧です。ここにメスを入れることなくして本当の改革はありえません。

これまで、「解同」や「同和行政」を批判した職員が「差別者」と糾弾され、抑圧され、自由な発言が出来ない風土がつくられたことは既に述べましたが、批判者への「差別」を物理的背景にし、「意識改造」のための「啓発」「研修」が続いてきました。思想統制の為のハードウエア・ソフトウエアの関係です。

1972年に起こった橋本せつ子さんの事件を紹介します。同和事業指導員(子ども会の指導員)をしていた橋本さんが、「解同」の運動に批判的な考えを持っていたため、「解同」や市当局から思想転向を迫られ、長期間にわたり研修と称して中央公会堂の一室に「隔離」「幽閉」された事件です。職員有志が、女性職員の窮状を告発し改善を求めるビラを市役所の各職場に配布し、「守る会」を結成してたたかいました。これに対し、ビラを配布した職員のブラックリストが作成され、その後の人事異動で強制配転が強行されます。

実はこのブラックリストを作成したのは、市当局ではなく大阪市職員労働組合(以下「連合市職」という。)の指示によるものでした。「守る会」の会長をした尾崎泰士氏は、職場上司の奮闘にもかかわらずヒラ職員のまま据え置かれた。1990年に提訴した裁判闘争によって勝利し、ようやく係長に昇任したのは退職直前です。その他、「部落解放運動」の名による「暴力」「人権侵害」事件は数え切れません。

また、2000年4月には、「大阪市人権尊重の社会づくり条例」(いわゆる人権条例)が制定され、「市の責務」「市民の責務」が盛り込まれます。同和行政の永続化の根拠にもなり、市民・職員の思想統制にも通じるものです。

改憲勢力による国民弾圧法案の策動が急ピッチですすんでいるが、「人権」に名を借りた「啓発」「研修」「教育」「条例」と、思想統制という点で通じるものであり、その終結をめざすとりくみが急務になっています。
5.永続可能な都市を描く市民版「市政改革マニフェスト(ビジョン)」を一緒につくりましょう!
 市民がつくる大阪市政改革ビジョンチームは、以下の提案をしています。

私たちは、大阪市のあり方を問う「第3の道」として市民版「市政改革ビジョン」を提案します。「市政改革ビジョン」は、「市政改革マニフェスト」のように大層でエレガントな装いをもつものではありません。その主張は次のようにきわめてシンプルです。

1.市民の目線に立った環境、福祉(教育・文化等を含む)、地元産業(雇用等を含む)を重視した都市、つまり、「永続可能な都市」を大阪市において実現する。

2.「永続可能な都市」の視点から大阪市の全事業を見直し、巨大開発型施設の廃止・大幅削減を実施すると同時に、環境・福祉・地元産業を維持・発展させる施策について継続・拡大する。それによって、市民の目線から「身の丈」に合った行政と財政を実現する。

3.大阪市を市民にとって身近で管理できる自治体にするために、各区に「区民委員会」(仮称)を設け、各市民の参加に基づいて福祉、教育、文化、安全、産業などの施策に係る「区まちづくり計画」(仮称)の策定と市当局による審議責任ならびに説明責任の義務付けを行う。

4.民主的な自治体運営の条件である徹底的な情報公開を実現する。

5.市民と市役所の間の信頼関係を再生し、真の「協働」を実現する。

同時に、「格差社会」の是正、少子化対策、地震・津波対策の強化など、市民の命と安全をめぐる問題に積極的にとりくむことも必要です。

本日をスタートに、永続可能な都市を描く市民版「市政改革マニフェスト(ビジョン)」を一緒につくりましょう!
そのために、各行政区で、各分野・階層の要求を持ち寄ったタウンミーティングを開催するとともに、市民参加による行政区別、分野別、階層別のビジョンづくりを開始しましょう!
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