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大阪市政改革とサステイナブル・シティ

2006年8月26〜27日
第10回おおさか自治体学校報告レジュメ


1 市政改革による地域経済の変貌

(1)強い企業・産業を強くし、弱い企業・産業には退出を要求

・大阪市都市経営諮問会議(座長本間正明)2004年12月『関市長への提言』。「改革の基本理念は『強い大阪』である。…公平・平等の行政の常識的発想を転換し、重点的な産業政策への転換を図るべき」「重点産業分野の企業誘致に係る助成金等の支援制度については、…平成17年度に数十億円規模に拡充する」。2005年度から企業誘致で1社30億円の補助制度を創設。重点産業集積促進地域に300億円以上を投資して進出した企業に上限30億円の補助を行う。今年6月に旭硝子が320億円を投資して住之江区に加工工場建設することに補助を承認。

・強い企業・産業をより強くし、弱い企業・産業にはすみやかな退出を要求する。山口義行は、「実際には、『勝ち組』でも『負け組』でもない、『健全』とも『不健全』とも判断できない、『成長』も難しいが『衰退』していくともいえない、そんな企業や産業分野が圧倒的多数であり、雇用の多くもそれらによって維持されている。そうした『グレーゾーン』の活力を維持し、増進させるにはどうしたらいいか。そこにこそ知恵をエネルギーが注がれなければならないはずである。」(『経済再生は「現場」からはじまる』)。

(2)超大型店の誘致で地元商店街はどうなる

 大阪市大正区の鶴浜地区。大阪市が1985年から340億円を投じて埋め立てた。そこにアークランドサカモトが進出計画。売り場面積4万7000u、3300台の駐車場。大正区の小売店舗面積4万4000uを上回る超大型店の進出に、地元の商店会連盟は死活問題だとして反対運動を展開。2006年7月、アークランドサカモトは「地域の反対が予想以上に大きい状況で出店しても成功しない」と進出を撤回。大阪市は後継の商業者を公募する方針。大正区にける商店街の店舗数1991年612店舗→2002年433店舗、売上げ額282億円→178億円。

矢作弘『大型店とまちづくり』(岩波新書)は、「大型店問題が環境の問題であり、子育てや高齢者の問題である。」と指摘。

(3)百貨店競争の激化と高層マンションのラッシュ

 都市再生緊急整備地域として大阪市内では、@大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺地域、A難波・湊町地域、B阿倍野地域、C大阪コスモスクエア駅周辺地域の4地域が指定された。指定地域内では、容積率緩和などの特例や金融支援、税制上の特例措置を受ける。大阪駅前の百貨店では競争が激化。阪急百貨店梅田本店を2011年をメドに建替える。容積率を従来の1000%から1300%に緩和されるのを受け、売場面積約6万uから約8万uに増床する。2011年に大阪駅北口に三越が5万u規模の新規出店予定。大丸も梅田店の売場面積約4万uを約6万uに増床して2011年の開業をめざす。大阪駅周辺の百貨店の売り場面積は1.6倍になり、激戦地区になる。

 御堂筋周辺では、旧そごう大阪店が「特別地区」として容積率が1000%から1300%に引上げられ、2005年に14階建ての「心斎橋店」として生まれ変わった。隣接する大丸心斎橋店も売り場面積を約1万u増床して5万u規模に建替えを検討。

 難波地域では、2003年に「なんばパークス」が開業。その隣接地に46階建て超高層マンション。御堂筋周辺には、46階建ての「淀屋橋アップルタワーレジデンス」、三越大阪店跡地に約50階の超高層マンションが計画。

 関一「高層建築の増加のみを誇っている大阪市の将来は国民の墳墓があるのみである」(『大大阪』昭和4年3月号)

 五十嵐敬喜・小川明雄「高齢者や子どもたちは引きこもり、孤立しがちだ。とくに子どもたちは、親離れが遅れがちで体質とか性格にまで影響することが観察された。また、妊婦も外出がおっくうになり、異常分娩も増える傾向もあった」(『都市再生を問う』)


2 市政改革で市民の財産・安全・ライフラインが売却される

(1)地下鉄・市バスの完全民営化

 昨年12月に地下鉄・市バスの公設民営化を明記。今年5月に関西経済同友会が完全民営化を提言。大阪市も完全民営化の検討に入った。
 交通企業会計の営業収支は大きな黒字。地下鉄も市バスも市民の税金でつくった市民の財産。完全民営化されれば、採算の悪い路線は運行数の縮小・廃止、料金値上げ。既存の私鉄との相互乗り入れで便利になっても、事業所や都市機能がターミナルに集中する。JR尼崎脱線事故の例のごとく人員が削減され、安全が軽視される。

(2)水道事業の民営化で長年の経験と熟練が失われる

 水道事業は「独立行政法人化、あるいは株式会社化」。安全な水道水を各家庭に供給するには、浄水処理の経験と熟練が必要。季節、天候、台風や大雨など、マニュアルでは対応できい。長い年月によって積み重ねられた経験と熟練が民営化で失えば、市民のとって大きな損失。

(3)学校給食の民間委託化で後退する食育

 市政改革本部は、学校給食事業が「給食1食あたりのコストは591円となり、他の政令市に比べ割高である」「行政区ごとに献立が異なり、スケールメリットがいかされていない」と指摘。大阪市でも、伝統野菜の「大阪しろな」を給食に取り入れている。「食育」「地産地消」がコスト削減を目的にした民間委託で後退する。災害時に避難所になる学校に調理場と調理員がいることの公共性。

(4)ごみ収集の「独立行政法人化」で儲け優先

昨年12月15日、ごみ収集の独立行政法人化を全国で初めて打ち出した。翌日の産経新聞で慶応大学の金子勝教授は「ごみ事業を下請けに出し『もうけの論理』が優先されると、分別収集などがきっちりできるのか。環境政策面がなおざりにされる心配がある」「行政サービスについてあまりに無定見で驚く」(昨年12月16日産経)と厳しく批判した。

 市政改革本部は「家庭ごみは各戸収集しているため、細い路地でも入れるよう小型車を使用。効率が悪く人件費がかさむ」。大型車になれば、きめこまかい収集ができなくなる。今年10月から粗大ゴミ有料化。家庭ごみの有料化も検討中。「集めれば集めるほど儲かる」では、ごみの分別収集やリサイクル化はすすまない。


3 市民生活のサステイナビリティが脅かされる

(1)弱者への福祉施策を否定、納税者を支援する

「企業や人の活動が沈静化し、そのことが『社会的弱者』と呼ばれる人々の増加と行政需要の拡大につながり、行政主導で行ってきた福祉施策が市民の自律意識を低下させ、さらなる都市・人の活力の喪失につながるという悪循環をもたらした」「今後の行政に求められる役割は、自律できる市民を支援する」(前掲「関市長への提言」)
 「低負担による高サービスの温存」(「市政改革マニフェスト」05年9月)

(2)無料の市民施設廃止に市民運動の盛り上がり

今年1月12日、無料で利用されている児童館・勤労青少年ホームの3月末廃止を発表。子どもや保護者から大きな反対の声が沸きあがった。「ぼくらゲーセンに行けって言うの」(平野児童館)。3月30日の市議会では廃止条例案が継続審議になった。市長提案が可決できなかったのは実に40年ぶり。5月の市議会で5月末廃止を可決。戦後直後に全国最初の公立児童館として開設した西淀川児童館も姿を消した。

(3)今年度から実施された市民サービスの削減
  • 生活保護世帯の市営交通料金・上下水道料金福祉減免措置(生活保護者は料金半額)を今年10月から廃止。
  • 新婚世帯向け家賃補助を今年4月から月5000円の減額。
  • 斎場使用料を今年4月に6000円から1万円に値上げ。

(4)今後検討する市民サービスの削減
  • 70歳以上の高齢者世帯に対する上下水道料金の減免措置に「対象年齢の引き上げと所得制限の導入について07年度以降の実施について検討する」
  • 市営住宅家賃福祉減免制度。「家賃の支払い能力が失われるか又は低下している場合に、福祉的配慮として家賃減免(福祉減免)を行っている」「07年度以降の制度見直しについて検討する」
  • 保育所保育料の見直し。「受益と負担の関係の適正化の観点から、保育所保育料の設定について、全体的な整理を行う」。
  • 高校生奨学費のあり方検討(給付から貸与へ)。「経済的理由のために高等学校又は高等専門学校での修学が困難な者に対し、奨学費として月額1万900円を給付する」「貸与化も含めて制度のあり方について検討する必要がある」
  • 就園奨励事業の見直し。「市内幼稚園児の8割が就園する私立幼稚園の保護者負担軽減対策については、今後も必要であるが、幼児教育費補助(市独自分制度)については、本市の財政状況等を踏まえて、あり方を再検討していく」
  • 児童いきいき放課後事業の有料化を検討。

(5)削減するとしながら市民の運動で継続になった市民サービス
  • 敬老優待パス制度(70歳以上は地下鉄・市バスが無料)
  • 重度障害者給付金・難病見舞金(身障手帳1級年1万円、2級8000円支給、難病患者1万円)


4 市政改革と公務労働

(1)公務労働の総合性と専門性を破壊する

 「ニュー・パブリック・マネジメントの政策の企画立案と実施執行の分離と徹底した競争原理を導入することにより、事業の効率化・活性化を図る」(「市政改革マニフェスト」05年12月)。
  • →公務労働の総合性と専門性が解体される。公務の総合性は、意志決定と業務執行とが一体化し、相互の緊密な連携があってはじめて発揮される。職員の現場感覚がなくなり、官僚化がすすむ。

(2)経験と熟練の継承を損ないマニュアルに依存する

 「5年間の採用凍結で5000人削減」「50歳からの早期退職制度の導入」(「市政改革マニフェスト」。この2年間に限り55歳〜57歳に25%〜20%の退職金加算を検討。
  • →市民相手の公務労働は、知識だけでなく現場での経験と熟練が必要。新規採用者の凍結は、先輩から後輩への専門性の継承を損なうことになる。マニュアル依存が強まる。
  •  「職員組織に新鮮な感性の注入がなくなり、組織の活力が弱まる。若者は経験者から学び、経験者は若者と協働するなかでみずからの資質を磨く」(元大阪市財政局長・木村収、大阪市政調査会『市政研究』2006年春季号)

(3)住民の要求を行政に反映させる職員の役割が否定される

「頑張った人、成果を出した人が報われるという処遇体系」「成績主義の給与体系の導入」「改革マニフェストは強力な拘束力を発揮する」(市政改革マニフェスト)。


5 大阪市政改革に対する対抗軸

(1)クロス・セクター・ベネフィットの考え

 「ある部門でとられた(しばしば出費を伴う)行動が、他部門に利益をもたらす(しばしば節約となる)」。高齢者や障害者への無料交通パスなど、誰もが利用しやすい公共交通の提供は、財政支出を増大させるが、それ以上に介護費用など福祉部門における支出を減少させる。多くの場合に健常者にも利益になる。(『異動の制約の解消が社会を変える』)

(2)潜在能力アプローチ(アマルティア・セン)

 多様な性格・能力をもつ個人が、潜在能力を発揮するのに必要な水準を保障する。
 
(3)住民福祉と人権保障の「大きな自治体」
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