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人事評価制度の問題が噴出する中、たたかいは継続に

「2007年賃金確定・年末一時金闘争の到達点に対する市労組連の声明」
2008年1月29日・大阪市労働組合総連合
1.2007年賃金確定・年末一時金闘争は、11月18日投票で行われた市長選挙において平松新市長が当選するという結果をうけ、11月末の本来の回答時期が延期され、さらに異例の越年となりました。
賃金改定の年度内(3月)清算を前提にし、1月末を交渉期限とし交渉・折衝が重ねられ、本日1月29日がヤマ場として最終的な団体交渉が行われました。

このような経過をたどることになった真の原因は、市長交代という表面的な問題ではなく、「市政改革マニフェスト」をトップダウンですすめ、「勤務成績の給与への反映」を強引にすすめてきた関市政2年間の帰結といえるものです。また、それを引き継いだ平松市長の姿勢が最初に問われることになりました。

2.市側は、回答が遅れたことに謝意を表明しつつ、勤務実績に基づく昇給制度の実施、公民較差の解消として扶養手当(子等)の額アップなどについて回答を行いました。

市労組連は、公民較差0.07%(315円)の解消については、僅かな較差の解消ではあるが合意できること。また、期末・勤勉手当0.05月の較差解消については、一律の支給を求めつつも、0.035月の3月清算の労使合意を求めるとともに、0.015月の成績率の財源化の撤回を求め継続協議を要求しました。

あわせて、標準を上回る昇給と標準未満の昇給の基準の策定についても継続協議を要求しました。この継続交渉の要求に対する市側の回答は、条例制定という期日まで協議に応ずるとの態度を表明しています。さらに、昇給制度の勤怠・懲戒関連については、当局提案の問題点を指摘しつつ、改善を求めました。

 次に、市側は、10月17日に提出した重点要求への回答とともに、今期闘争において市側から提案されていた休暇・育児支援・病気欠勤などの多くの制度変更について、折衝の内容を踏まえた修正を含めて回答がされました。市労組連がこの間要求してきた年休の時間単位の取得、妊娠中の通院休暇の運用改善などが実現するとともに、当局からの制度変更の提案についてもいくつか修正をはからせる成果も勝ち取りました。しかし、病気休暇の90日の日数に土日を含めるという改悪など今後にいくつかの課題を残しました。

3.また、これまでの要求運動と交渉の経過を踏まえ、次の3点を指摘し引き続く交渉・協議を求めます。

第一に、超過勤務手当縮減にむけた指針を策定するという市側のとりくみ姿勢と関連して、月数十時間の超過勤務の実態は「臨時の必要」という超過勤務の要件からの逸脱であること。また、休憩が取れないという職場実態を要員体制の確保を含めて改善すること。

第二に、短時間の育児休業の制度化に絡んで代替要員問題が今後の協議とされているが、通常の育児休業の代替要員が配置されていない職場が多く存在しており、人事当局の姿勢が問われていること。
第三に、病気休暇制度の整備と併せて、休職者の職場復帰支援策について労使協議されてきたが、メンタルヘルス不調の急増や健康不安の増大という現実を踏まえた労働安全衛生委員会での議論を要請するとともに、委員を送っていない労働組合との必要かつ十分な協議によって制度の改善をすすめることを要請しました。

以上の交渉経過・到達点を踏まえ、市労組連執行委員会は、1月29日午後9時、成果主義導入をめぐるたたかいの継続と重点要求その他の回答を組織討議に付すことを確認しました。

4.人事考課の評価結果をもとにして勤務実績を賃金に反映させ、賃金の「差別化」を行うとする市側の動きは、平松市長の市会答弁(1月22日)によって加速しました。

また、市労連は昨年末において「勤務実績に基づく昇給制度」の単組協議に踏み込みましたが、勤勉手当の成績率を争点とした今回の交渉においても成績率導入に踏み込みました。成果主義導入を頂点とする「給与構造改革」はこれによって新たな局面に入りました。

 市労組連は、「給与構造改革」との2年間に亘るたたかいの到達点を踏まえつつ、2月下旬の条例提案までの期間において、大阪市の人事評価制度が抱えている問題点・矛盾点を徹底的に明らかにし、このまま導入することが如何に無謀であるのかを明らかにしていきます。また、平松市長による「市政改革マニフェスト」路線の継承が、自らの公約に反し市民・職員を欺くものであることを指摘します。

市労組連は、新たな決意でたたかいを継続することを表明するものです。
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