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「経費削減のとりくみについて(素案)」の発表にあたって(談話)
2008年9月4日
大阪市労働組合総連合書記長 中山 直和

 本日、大阪市は平松市長が記者会見を行い「経費削減の取組について(素案)」を発表しました。これは、前市長が上山信一氏など外部委員のイニシャチブのもとに作成した「市政改革マニフェスト」(06年2月)の経費削減目標(2,250億円)を達成するため、とりわけ人件費・物件費などの経常経費に焦点をあてた「経費削減プロジェクトチーム」を結成し4ヶ月余の作業の上に発表したものです。

 その内容は、職員数の削減や賃金カットを前面に押し出し、市民向けの福祉・教育などのサービスや施策をカットするための露払いとしています。しかも、職員数の削減では、「市政改革マニフェスト」の残り2ヵ年で2,400人の削減を見込み、5年間トータルでは8,600人を越えて削減し、当初の5000人削減目標をはるかに上回る結果を出そうとしています。さらに、人件費削減のとりくみとして全職員の給料5%カットなどを行うとし、マニフェストの期間が終了した以後も、「中期的な財政収支概算」が予測する財源不足に相当する1,200億円を確保するため、2017年まで賃金カットを継続すると明記しています。

 また、市民生活を支えるサービスへの切込みでは、高齢者や障害者、そして子ども向けの施策のいずれも聖域なしに、廃止・見直しが打ち出されています。増税や社会保障の改悪、そして物価高など市民生活が激しく揺らいでいる状況を省みない非情な内容です。
小中学校の教材費や消耗品を賄う学校維持運営費に約24億円の削減を求めるとともに、会館・施設・プールの廃止、難病患者などへの見舞金の廃止などが盛り込まれています。さらに、前市長の見直し提案後、住民の強い反対運動を踏まえた結論として継続されてきた敬老優待乗車証の「見直し」を行うことに伴う約27億円の経費削減も打ち出しています。

 平松市長は、昨年11月の市長選挙において前市長がすすめた市政運営を批判し「市政改革マニフェスト」の見直しを表明し、「貧困と格差」を生み出した「構造改革」路線にノーの選択をした市民の後押しによって当選しました。そして、将来ビジョンなき単なる経費削減計画としての「市政改革マニフェスト」が修正されるかどうか、市民や職員は注目してきました。しかし、「経費削減の取組について(素案)」の発表によってその期待は見事に裏切られました。それどころか、マニフェストが終了する2011年以後も人件費の削減をはじめ、大規模開発が生み出した借金の返済のために、経費削減を継続することを示すなど、改悪のバージョンアップがなされたというべきです。しかも、市長の任期は残り3年でしかなく政治家としても無責任のそしりは免れません。

「市政改革マニフェスト」にそったリストラが強行されてきたこの2年余り、6,000人以上の人員が削減されてきましたが、市長部局では、昨年度だけで在職死亡が42人、そのうち自殺者が7人、病気休職者が312人となるなど、職員の健康はまさに危機に瀕しています。職場では,メンタルヘルス不調によって休職する職員はドミノ倒しの様相だと囁かれています。この背景には過労死ラインを超える月100時間もの超過勤務を行った職員がのべ1,200人も存在する職場実態も無視できません。
また、人件費5%カットを9年間続けるとする「素案」の立場は、労働基本権を不当に制約した人事委員会の機能や労使協議すら否定した、極めて不当なものです。
さらに、市民サービスを支える現場では、人員不足に加え経験者の退職・異動によって業務の質・専門性を維持することが困難になっています。さらに、経費の切りつめが既に相当進行したなかで必要な物品が入らず、空調・照明など労働環境へのしわ寄せも顕在化するなど異常な事態が生まれています。
今後、「素案」にそった「経費削減」が実行されるならば、職員の健康や市民生活は更に深刻な事態に直面することは明らかです。

「経費削減」を行う目的が、市政のムダと浪費を真になくすためならば市民や職員に異議はないでしょう。たしかに、これまでの大阪市には多くのムダと浪費が存在したことも事実です。私たちは最大のムダである大規模開発や同和行政を中止・是正することを繰り返し主張してきました。
ところが、「中期的な財政収支概算」が明らかにしているのは、阿倍野再開発・此花臨海開発・道路公社が生み出した赤字の穴埋めに必要な財源が不足しているということであり、しかも、これらの事業を進めてきた歴代市長や幹部職員が誰一人として責任を取らないばかりか、それを後押しした政府や財界の責任を一切問おうとしていない有様です。その一方で、巨額の赤字を生んだ事業の執行になんら責任のない市民や職員を犠牲にして財源を生み出そうとしているのです。これこそ政府・財界がすすめる弱者切り捨ての「構造改革」そのものです。

また、「素案」発表の3ヶ月前の6月に、平松市長は「大阪市の経営ビジョンと財政状況」とする財界・投資家向けの資料を公表していました。その内容は、今回の「素案」の基本方針を明確に述べつつ「税収基盤が厚く、大阪市内の経済状況は回復傾向にある」「大阪市債を安心してご購入ください。責任を持って最優先でお返しすることを確約します」と明記していました。
財界や投資家が、大阪市の土地・建物、さらには株式の保有などの事実を把握しているなか、彼らには大阪市の財政状況は堅調であることを強調しているのです。一方、市民や職員には、財政健全化法によるイエローカードともいうべき指標を使って「財政危機」を最大限宣伝することによって欺こうとしているのです。

私たちは、市政改革マニフェスト案が発表された05年9月以後、直接被害を受ける市民や団体の方々とともに力を合わせ、敬老優待乗車証の継続やトモノスの廃止に反対してとりくみを強めてきました。しかし、この3年間、市民の生活は政府の社会保障改悪や増税によってさらに厳しい状況に追い込まれています。また、職員は人員削減によって健康破壊・労基法違反の実態の放置などますます危機的な状況を呈しています。
これらの現実を踏まえ、憲法と地方自治法にうたわれた、住民福祉の向上をめざす立場から、住民とともに住み続けられる大阪市をめざし、全力をあげてたたかうことを表明します。

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