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2008年10月30日 |
大阪市長 平松 邦夫 様 |
大阪市役所労働組合
執行委員長 中山 直和 |
「不適正資金」に関する原因究明・再発防止のとりくみ及び
「誓約書」問題について(申し入れ) |
10月17日の市長記者会見において、「不適正資金にかかる職員の処分、返還金及び再発防止策について」公表するとともに、この間の「一連の不適正資金問題にかかる調査、処分等につきましては、今回の処分をもちまして終了したもの」「今後はこのような問題が二度と起こらないよう再発防止に取り組み、一日も早く市民の皆様の信頼を回復できるよう努め」るとの考えが示されました。
しかし、マスコミ報道では「解明不十分で幕引き」「真相迫れず幕引き」「絶対まだある」などと見出しがつくなど、マスコミや市民の厳しい反応が示されています。この点では、職員に中でも同様の厳しい意見が存在していることを申し上げておきます。
私たち大阪市役所労働組合は、「いわゆる裏金」問題が発覚した当時から、それを生み出した組織風土やシステムの全容解明と再発防止を求める立場を表明してきました。
そして、「いわゆる裏金」問題の本質について、それを必要とする組織風土が大阪市役所に存在していたこと。それは、第一に「助役から市長への世襲」路線を支援した勢力との癒着関係を維持するためのものであり、第二に「飛鳥会」「芦原病院」問題に象徴される「同和行政」の歪みが蔓延していたことであり、第三に、それらを執行しようとする一部幹部職員とそれを支える職員の間で、引き継がれてきた「職制上の負の遺産」であった、ということを指摘してきました。
私たちは、引き続き、誤った「組織風土」を生んだ原因の究明を行うこと、再発防止のとりくみ強化を要請します。同時に、市側が「再発防止の一つとして」とりくんでいる「誓約書」の提出に関わって説明を求めるものです。
記
1 私たちは「積極的にコンプライアンスを推進する組織風土への改革を推し進めてまいりたい」という市長の表明を歓迎しています。同時に「裏金を必要とする組織風土が大阪市役所に存在した」こと、「事件の再発を防止し、風通しのよい職場風土を築き上げるために、いま必要なことは、なぜ『組織慣行的』にこのようなことが続けられてきたのかという根本原因に迫ること」であると意見を述べるとともに、再発を防止するには、間違った「組織風土」を清算できるかどうかにかかっていることも指摘してきました。
これまでの間違った「組織風土」について、その原因についての認識と改善方法を示してください。
また、幹部職員が二度と不適正資金の捻出を命じないこと、認めないことを組織の内外に「誓約」してください。
2 市長は「公益通報制度」や「公正職務審査委員会への通報」を利用して、これまでの問題の究明と再発防止を行う姿勢を強調しています。たしかに公益通報制度が一定の役割を果たしていることは事実です。しかし、この間に「通報を行った当事者は誰々だ」と洩れるような不手際が存在するなど、制度そのものへの信頼も揺らいでいます。世間には、愛媛県警の裏金を告発した警察官への不当な人事異動や大企業の「偽装請負」を告発した勇気ある派遣労働者を雇い止めにするなど、内部告発者への陰湿な仕打ちが横行しています。このようなことは大阪市では無いということが具体的に保障されなければ、市長の呼びかけの実効性が問われかねません。
不適正な事例に対して、「おかしい!」と是正を求めた職員や「公益通報」を行った職員に対する不利益は一切ないことを市長や幹部職員が宣言し、徹底する方法を具体的に示してください。
3 「誓約書」にかかわって、市長は「『こういうことに二度とかかわりません』、あるいは、これから先、二度と、というのは今までした人の言い方になりますから、『これから先、かかわることはございません』ということを宣誓していただく」と記者会見で答えています。
しかし、もともと「不適正資金」「裏金」に関与しえる職員は予算に携われる一部の職員に限られているにもかかわらず、市長から全職員にメールが届いたあとに配られた「誓約書」の文面は、市長発言を否定したものとなっていました。
なぜ、予算執行や不適正資金に関わっていない多くの職員にも提出を求めるのか、また、市長の公式発言を否定してまで、今回の「誓約書」の文面になったのか、説明してください。
以上
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