本日(7月25日)開催された大阪市会臨時会は、大阪市(橋下市長)が行った思想調査アンケートに対する中央労働委員会命令を不服とする訴訟提起に対して、自民・公明・みらい・共産の反対により否決しました。討論では「市長のメンツのための訴訟であり、市税を使うのは適切ではない」「労使不和を続けることが市民の信頼を損ねる」との的確な指摘が行われるとともに、「職員基本条例」「労使関係条例」が労使関係を歪めている原因であり「廃止して健全な労使関係を築く」ことを求める貴重な意見が出されました。
この議決の結果、中央労働委員会が6月27日に下した大阪市(橋下市長)の不当労働行為を断罪した命令が確定することになります。この重い事実を踏まえ、市会での議決を要しないという交通局・水道局の事件についても、7月28日の期限を待たずに議会の判断に沿った態度を決定することを強く求めます。
この命令は、大阪市役所労働組合とは別の組合(市労連など連合系)に対して発せられたものですが、私たちの事件にも当てはまるものであるとともに、住民サービスの充実や働きやすい職場環境をつくるためにも積極的な意味があることを確信するものです。
労働委員会は橋下市長の「労働組合弱体化の意図」を明確に不当労働行為と断罪!
大阪府労働委員会が、2013年3月25日に出した命令は、大阪市(橋下市長)の不当労働行為を断罪し、謝罪文を当該組合に手交することを命じるものでした。橋下市長は命令直後には「謝罪する」と表明していたにもかかわらず、その夕方には前言を撤回した経緯がありました。
中央労働委員会の命令は、「本件アンケート調査は、単なる情報収集を超えた組合活動に対する干渉行為に当たり、組合の組合員に動揺を与え、組合活動を萎縮させることにより、その団結を弱体化させる不相当なものであったことから、市によって行われた組合に対する労組法第7条第3号の不当労働行為であったと認めるのが相当である」と明確に断罪しています。
思想調査アンケートが職場に与えた打撃は大きく、橋下市長の謝罪は職場民主主義の回復の第一歩
一方、労働委員会の命令は「不当労働行為」のみを問題にしていることから、職員の思想・良心の自由を侵害した事実について触れられていません。
大阪市役所ではアンケート実施後に「職員基本条例」「職員の政治的行為の制限に関する条例」が制定され、職場での会話が制限され、市民の民意を汲み上げることさえ否定される状況が作り出されています。このような異常な職場の実態を改善するためにも、橋下市長が中労委命令に従って謝罪することが求められます。
また、59名の原告が訴えている裁判は、すべての職員の思想・良心の自由を侵害し、憲法違反のアンケートだったことを認めさせる重要な意味があります。裁判提訴からすでに2年が経過し7月30日に次回の裁判期日が入っています。引き続き、勝利判決を求めてとりくみを強めます。
市民とともに市民本位の市政実現に今後とも全力を挙げます
今、橋下市長と維新の会は「大阪都構想」の行き詰まりを打開するための違法・無法な暴走を続け、維新の会以外の会派を排除した「法定協議会」で「大阪都構想」の「協定書」づくりを強行しました。
このような民主主義のルールを踏みにじる暴挙に反対する野党会派の議員が請求して大阪市会が開催され、今回の訴訟提起が否決されるという状況が生み出されたことは橋下市長にとって墓穴を掘ったというしかありません。
これまで橋下市長が実行してきた「市政改革プラン」は公約を平気で破った市民サービスの切り捨てであり、職員と労働組合への激しい攻撃は市民との連帯を阻み、露払いとして強行されてきたものです。本日の議会の判断と中労委の命令に従い、不当労働行為への反省と労働組合、市民、職員への謝罪を改めて求めます。引き続き住民の生活と権利を守るために、維新政治ストップをめざして全力で奮闘する決意を表明します。 |